此処から

絶体絶命 ページ32

「・・・・・ごめんなさい」



きっとどんな言い訳も通用しないと思った

私が隆二くんの立場なら絶対疑ってしまう


全部自分の責任だ



「そのジャージは岩田さんのだよ」


隆「よく来るの？」



「・・・たぶん、信じてくれないから言い訳はしないよ
　 だけど私は隆二くんが好きだから！！それだけは信じてほしい」



隆「・・ガンちゃんと何もないって信じたい
　 でも、ごめん今はそんな余裕ないわ」




当然だと思った



好きじゃないとはいえ、家に入れてしまった事実
何もないとも言えない
同意じゃないけどキスもした事実




こんなに隆二くんが好きなのに




まだ始まったばかりなのに





恋愛ってこんなに難しかったっけ






もう終わったのかと思うと辛いはずなのに






1滴も涙が流れなかった




無言で玄関へ向かう隆二くんの後ろ姿を





帰った後もずっと




立ち尽くして見ていた



*



何時間経っただろう




こんなにたくさん材料買ってきちゃって




どんな顔してこの具材選んだんだろう




お腹ペコペコって言ってたのに




鍋に火をつけないまま





帰っちゃったよ





今頃泣けてきたよ









隆二くんを不安にさせてしまった罪悪感






もうダメなのかな

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