全力 ページ7
「コーチ、ジャンプを変更したいんですが。」
「ジャンプの変更?」
Aは柔軟をしながらブライアンへと話しかける。
彼はその提案に驚いた様子を示したがAの提案に頷く。
「それでどこのジャンプを変更する?」
「最初の3回転を3回転半に変えたいんです。」
「さ、3回転半だと!?お前正気か…?確かに練習してたが跳べるのか?」
「成功率は…2割といったところですね。」
2割という言葉にブライアンは顔をひきつらせる。
「今まで女子で3回転半を成功させた奴は少ない…それが決まれば優勝に近付くが転倒すれば命取りになるぞ?」
「分かってます…でも私は全力でこのFSを滑りたいんです!このままの演技じゃ去年と一緒でエマに負ける…それに最高の演技をお客さんは見たいはずです。」
「…分かった。お前にそれだけの覚悟があるなら大丈夫だ。っと…そろそろ順番が回ってくるな…行くぞ。」
「はい。」
ブライアンの言葉にAは頷き2人はリンクへと向かった。
リンクの近くにいけば会場は大盛り上がりでその熱気が伝わる。
思わずAは身震いするが首を横に振り頰を強く叩いた。
「コーチ、私から目を離さないで…しっかりと見てください。」
「…あぁ。綺麗になったな、A。それに強くもなった。お前のコーチを最後に出来てよかったよ。」
「私も…コーチの最後が自分で良かったです。」
お互い額をくつけて静かに笑う。
その姿はまるで映画のワンシーンのようだ。
「よし、順番だ…行ってこい!俺とここにいる奴らを魅了しろ。」
「はい!」
リンクへ飛び出していくと大きな拍手が起こる。
その拍手に応えるようにAは片手を上げリンクの真ん中へと滑って行きポーズをとった。
「(さぁ…演技を始めようか…)」
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マグロ(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます!はなさんのコメントを読んでいて嬉しい気持ちでいっぱいになりました!もう少しで完結になってしまいますがそれまで応援していただければ…と思います!! (2017年1月17日 14時) (レス) id: 713f1b37ee (このIDを非表示/違反報告)
はな - きゃー!!一気に読んでしまった、、、原作の中に溶け込むというより元から主人公がいたかのよう、、、とてもオリジナルが強くて面白い!!はやくエキシビション完成してー!!純粋な恋愛にドキドキ!そしてGPF優勝おめでとう!少し潤んでしまいました (2017年1月16日 21時) (レス) id: 49dd1bf8fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マグロ | 作成日時:2017年1月9日 12時