部外者 ページ2
「叶永先輩、ちょっといいですか?」
「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
まだ部員が誰も来ていない放課後の体育館でバレー部のマネージャー、華園有里那が夢咲叶永に声をかける。
「私、叶永先輩が嫌いです」
華園がにっこりとして言う。
「え……?どうして、」
その言葉に夢咲は驚きの表情で華園を見たまま固まる。
「だってぇ、とーる先輩とかぁ3年生にチヤホヤされすぎじゃないですかぁ〜?
顔もたいして可愛くないくせにぃそうやってチヤホヤされるのはぁおかしいと思うんですよぉ〜!!」
華園は自分の長い爪を見ながら言う。
「え、いや……そんなことないと思うよ?
それに選手のみんなとコミュニケーションをとるのは大事だと思うし、」
夢咲は眉を下げて言う。
「あーもう!!とにかく、叶永先輩はバレー部の邪魔なんですよぉ〜?
わかりますかぁ〜?マネージャーは1人で充分なのでぇ〜……
叶永先輩は有里那が全力で潰しに行くので覚悟してくださいね♡
もうバレー部にいれる時間もそう長くないですよ?」
華園は夢咲を睨んでそう言った。
そして華園は、
じゃあ、いつも通り叶永先輩がドリンク作ってくださいねぇ〜♡
と言って体育館裏に消えて行った。
「………上等」
夢咲はそう呟いて華園と同じく体育館裏に消えて行った。
『………いやぁ、イイモノが見れそうだな』
私の口の端が上がる。
私の毎日の楽しみが増えた。
こうなったのは数週間前のこと。
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作者名:麻香 | 作成日時:2017年8月10日 6時