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バイクの後ろに乗るなんて初めてで、どこを掴んだらいいのかわからない。
とりあえず、サドルを掴む。
自転車の時も、恥ずかしくて腰なんか掴めないし、そもそも二人乗り女子としかしたことないし…
考えれば考えるほど、自分がどれだけ青春してないのか悲しくなってくる。
小瀧くんは、きっと可愛い女の子を乗せたことあるんだろうな。
後ろに乗ってるから見える、小瀧くんのヘルメットから出てる髪の毛が可愛い…
こんなことも、誰かも思ったことあるのかな…
だんだん頭と一緒に気持ちも下がっていく。
あぁ、一目惚れなんてするんじゃなかった。
相手が悪かった。
「…こっち、」
発進して、1つ目の信号で止まると、手を掴まれて小瀧くんの腰に回される。
そしたら自然と身体がくっついてしまって、ただでさえいつもドキドキしてるのに、いつもの二倍くらい早まった心臓の音。
うわぁ…伝わっちゃいそう。
頑張って落ち着かすけど、腰は掴んだままだから、小瀧くんの腰が案外細いんだな、とか変な事考えちゃう。
でも、もう乗るのは最後かもしれない。
そう思うと、いつもの運動部脳が働いてしまう。
勇気を出して、お腹の方まで腕を回して、ぎゅっとしがみついた。
突然ブレーキがかかって、背中に顔をぶつけて、顔を上げる。
「…悪い、」
後ろを振り返る小瀧くんはヘルメットをしてるからどんな顔かなんてわかんない、
まさか、力が強過ぎた…とか?
だから、さっきよりも控えめに腰を掴むと、今度はお腹の方まで回るように引っ張られた。
「…落ちんで。」
慌てて頷いて、さっきよりも弱めに、掴まった。
特に会話も何もないけど、家までの道のりがいつもよりもすごく早く感じた。
まぁ、いつも駅から歩きだし、当たり前だけど。
「あ、ありがとうございました!」
ヘルメットを取って頭を下げる。
そのまま手渡して、早く家に帰ろう。
そしてマキちゃんに今すぐ報告したい。
「…なぁ、番号。」
「え」
同じようにヘルメットを外した小瀧くんが、
バイクのエンジンを止めて、私を見た。
「知らんねんけど。」
あぁ、何これ。
知らないよ、こんな展開。
習ってない〜…
一人でまたプチパニックを起こす。
好きな人から連絡先を訊かれるなんて、夢のまた夢のような事。
私にも起きるんだって、まだ信じられない。
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ますかっと.(プロフ) - 陽歌__ .。.:*さん» ありがとうございます!頑張ってきます(^^) (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
ますかっと.(プロフ) - 小瀧。さん» 早く書きたいです〜!受験生なってきますね!ありがとうございました (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
ますかっと.(プロフ) - 華凛さん» ずっと読んでくださって、沢山コメントありがとうございました! (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
陽歌__ .。.:*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう、凄い面白かったです^ ^ 受験頑張ってくださいね! (2018年4月1日 10時) (レス) id: 61eed11da1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - ぐわぁぁぁぁぁぁ!!終わってしまったぁぁぁぁ!!悲しい(T-T)凄く面白かったです。また新作出来たら飛んでやってきますんで!! (2018年4月1日 5時) (レス) id: a9e50c2210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますかっと. | 作成日時:2017年12月7日 23時