桜桃フレーバー《桃》

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めっちゃ視線感じる。

授業が終わったのか、校舎から次々出てくるAの学校の制服着た生徒。


「Aクレープ行かん？」


声のした方向けば、この前電車の中で見た男。
あいつ、彼女持ちやなかったっけ。


「のんちゃん、顔！怖い」
「望出過ぎやろ」

って流星には笑われてるけど、
全然おもろない。


「なんやねん、あの男。」


校門から出てきて、そいつと目が合ったけど、
他にも男がいるのも分かった。


「かっこい…」
「あ、シゲくんやん！」

流星が走ってその子の所に行く。

「シゲくん？」


神ちゃんも首傾げて見れば、イケメンの黒髪爽やか男子がこっち見て頭下げた。


「流星くんどうしたん？」

なんか知り合いみたいやし。
どういう繋がり…


「いやー望がどうっしても来たいって！」

「は？言ってな…」


言おうとした続きは神ちゃんに睨まれたのと、Aと目が合ったから飲み込んだ。



「なになにクレープ行くん？」
「あーこの桐山照史っていう照史がクーポン持ってるから…あ、流星くんも行こうや」

ってさっきの男がペコって。
なんやこの彼女持ち。
可愛い顔やな。


「え、行く！神ちゃんも！いい？」

流星が神ちゃんの事も連れてって、なんか取り残されたし。

「あ、重岡です」
「神山でーす、シゲくん？よろしく！」


いや、なにみんなフレンドリー出してんねん。
初対面でクレープとか強過ぎやろ。


「あ、ちなみにシゲくんと俺はダチやねんなー」

流星ニコニコしてるし、ほんまに気に入ってるんやな。
イケメンくん。


「クーポン5枚しかないし、Aは小瀧くんと帰ったら」

「え。」

「あー！それでええやん、行こ行こ」

流星がシゲくんの肩組んで、
なんか歩き出した。

え、俺は？


「は、ちょっと…」

「ナイスパス貰ったんやし、のんちゃんちゃんとやるんやでー」

神ちゃんまで俺を置いてけぼりにすれば、
そのまま俺とAしか残ってへん。


「ひ、久しぶりだね」

「お、おぉ…」


笑ってるけど、引きつってて、
無理させてるねんなーって分かってるねんけど、
上手く言葉にできひん、

とりあえず帰ろうと歩き出したけど、
会話が続かへん。

え、これってマジなやつやん。
とにかく、ちゃんとしなあかんのはわかってる。


「あ、今日は駅で大丈夫です！」

「あぁ、」

電車なんで逆方向やねん。
しかも俺のやつのが早いし。

「また、いつかわからないけど」

って切なそうな顔見たら、また何も言えなかった。

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