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『喧嘩はもうせえへん。約束する。』



今日はきっと約束を守ってくれてるからやり返してない。




「小瀧くんが怪我するなら、喧嘩して怪我してない方がっ、」


溜まった涙が溢れると、優しい手に頬を包まれる。




「もう決めてんから…男に二言はないやろ。」


なって優しく笑う顔に、また溢れてくる。

「でもっ…」


グッと引き寄せられて、おでこに当たる唇。


「…Aの事大事にする。
その為なら、なんでもできる。」


私の髪の毛をサラ、と撫でて微笑んでそのまま目を瞑る。




「小瀧くん、」


ゆっくり開いた目を真っ直ぐに見て、伝えよう。



「好き、大好き…小瀧くんの事が好き、」


「…いきなりなに、」


起き上がろうとした小瀧くんにぎゅっと抱き着く。
傷だらけでも、大きくてたくましい体に腕を回す。




「…私、小瀧くんにちゃんと好きになってもらえたら、彼女になってもいい?」


頭に乗った大きな手が、ポンポンと触れる。

「もうなってるわ。」

「えっ」




顔を上げれば、優しく笑ってくれて、
今度は唇同士が触れた。



「俺も…大好きやで。A」

「うそっ、」

せっかく止まった涙もすぐにまた流れてく。


「あんま、そんなことされたら…困るから、せんといて。」




顔を片手で覆うように隠す小瀧くんは、すごく可愛くて、胸がきゅーとなる。




「でもっ…」


話そうとすれば優しく触れるだけのキスを、今度はしてきた。




「…これ以上言ったらもっと長いチューで黙らせるで。」





親指で私の頬を伝う涙に触れて、拭われる。




「…俺が守るから、俺の側から離れんといて。」






この奇跡に、私も巡り会えるなんて。

こんな幸せになれるなんて。

でも、本当にいいのかな。





「私なんかじゃ、小瀧くんに相応しくない。」




優しく後頭部と、学ランを掴まれて、小瀧くんに寄りかかってしまって、さっきよりも長くて甘過ぎてキスで溶かされそう。





「…俺には、Aしかおらんから。
もう、泣き止んで?」


離れた小瀧くんは、そう言って笑ってごつん、とおでこをくっつけてきた。





「えぇ、もう私今日死ぬのかな…」

「いや、死なれたら困るからそんなん言わんといてや」



そう言って、私のことを優しく包み込む。
私の好きな、甘い香りがいっぱいした。

好きな人とのキスは何倍も甘くて、
私達の顔を真っ赤に染めた。

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ますかっと.(プロフ) - 陽歌__ .。.:*さん» ありがとうございます!頑張ってきます(^^) (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
ますかっと.(プロフ) - 小瀧。さん» 早く書きたいです〜!受験生なってきますね!ありがとうございました (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
ますかっと.(プロフ) - 華凛さん» ずっと読んでくださって、沢山コメントありがとうございました! (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
陽歌__ .。.:*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう、凄い面白かったです^ ^ 受験頑張ってくださいね! (2018年4月1日 10時) (レス) id: 61eed11da1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - ぐわぁぁぁぁぁぁ!!終わってしまったぁぁぁぁ!!悲しい(T-T)凄く面白かったです。また新作出来たら飛んでやってきますんで!! (2018年4月1日 5時) (レス) id: a9e50c2210 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ますかっと. | 作成日時:2017年12月7日 23時

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