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無理やりブレザーに手をかけられる。

「いやだっ、」

抵抗しようとしても、後ろからもう1人来て、押さえつけられる。
目を瞑って、耐えてると、離れた手。




「…触んな、」



目の前に現れたのは、やっぱり好きで、伝えたい人。


「小瀧くん…、なんでっ」


「もう泣くなって、言うたやろ?」



涙でいっぱいの顔を、ブレザーの袖で拭いてくれて
そのまま腕の中に引き寄せられる。

「小瀧くん、そんなのされたらまた期待しちゃう…」

「…そんなん、させたいからしてんねん。」


ますます分からなくなって、顔を上げると
小瀧くんの頬に血がついてる。

「小瀧くん、血がっ…」

「…今はそんなん気にしてる場合ちゃうやろ、」




ティッシュを出そうとすると、着させられた小瀧くんの学ラン。


「俺の後ろに、ずっとおって…目瞑って。」



私の前に立ち上がって、隠すように背後に回される。目を閉じると、いろんな音が聞こえて、
怖くなる。
小瀧くんが、またいなくなっちゃうんじゃないかって。





笑い声がして、目を開けると、さっきの人で、
近づいてくる。

「やだっ…いや、」

そのまま床に倒されると、
手首を押さえつけられて、顔を背けることしかできない。






「…触んなって!」


蹴飛ばされたその人は倒れて、小瀧くんが私の手を引いた。



「…こっち、隠れてて」




ロッカーの中に無理矢理入れられる。


「小瀧くんは…」

「もうこいつらお前に近づけたくないから、」


優しく笑って閉めようとするから手を握る。

「嫌だよ…行かないで、」



さっき泣き止んだはずなのに、
止まらなかった。

「…大丈夫、すぐ戻るから」



優しく撫でられた頭。
微笑まれて、ドアを閉められる。





「お前さっきから、やり返してこないからつまんねぇんだよ」





そう言って、小瀧くんに鉄パイプを振りかざすのが見えた。
嫌な音が響き渡る。

「こ、小瀧くんっ!」





その場に倒れた小瀧くんに駆け寄った。


「お、まだいたの!ほら、行こ…」


男の人に手を掴まれそうになる。

「小瀧くんっ」


「…言ったやろ、もう触んなって」


それを阻止するように、小瀧くんが私の手を握った。


「…行くぞ」



男の人達は出て行って、静かになる。

目を瞑ったままの小瀧くん。
心配になって体を揺らす。





「なんで、出てきてんねん…」


私に向かって笑いかけてくれたけど、手も顔も傷だらけ。

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ますかっと.(プロフ) - 陽歌__ .。.:*さん» ありがとうございます!頑張ってきます(^^) (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
ますかっと.(プロフ) - 小瀧。さん» 早く書きたいです〜!受験生なってきますね!ありがとうございました (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
ますかっと.(プロフ) - 華凛さん» ずっと読んでくださって、沢山コメントありがとうございました! (2018年4月7日 21時) (レス) id: 55961f6a75 (このIDを非表示/違反報告)
陽歌__ .。.:*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう、凄い面白かったです^ ^ 受験頑張ってくださいね! (2018年4月1日 10時) (レス) id: 61eed11da1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - ぐわぁぁぁぁぁぁ!!終わってしまったぁぁぁぁ!!悲しい(T-T)凄く面白かったです。また新作出来たら飛んでやってきますんで!! (2018年4月1日 5時) (レス) id: a9e50c2210 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ますかっと. | 作成日時:2017年12月7日 23時

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