ONEPIECE FILM R=͟͟͞͞E=͟͟͞͞D=͟͟͞͞ BLACK (ページ2)

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第　ニ　話ページ2

赤髪海賊団の音楽家、A。

彼の歌と演奏は誰をも魅了した

周りを虜にする歌唱力、沢山のメロディーを奏でるピアノの音。

船の上で小さい彼は綺麗で繊細な音を奏でていた。

『＿＿＿＿＿＿♬』

｢相変わらず綺麗な音色だな。A｣

『ベックさん…！ううん、こんな音じゃだめなの。もっときれいでやさしい音じゃなきゃだめ』

｢俺達はAの歌と演奏なら全部大好きだぜェ！！！｣

ルゥとヤソップが片手に酒瓶を持ち、肩を組んで端の方からやって来た。

『ありがとう…それじゃ、あと一曲…』

鍵盤に指を置き、音を奏でる。

＜ビンクスの酒＞

海賊なら誰でも知っていようこの曲。
その曲だと分かった瞬間に船員一同歌い始めた。

｢｢海風気ま～～～かっせ波まっかせェ～～～！！！！｣｣

Aはその歌声にクスリと笑いつつも、鍵盤を弾く指を止めない。

今日も赤髪海賊団の日常に変わりはなく、楽しい一日だった。

あの日常は何年前だっただろうか。

｢シャンクスゥ～～～～！！！！この服可愛くない！可愛いやつが欲しいの～～！！｣

船の上で声を荒らげている少女、ウタ。
彼女は数年前にここにやって来た。
当時、赤ん坊だった彼女は八歳になった

｢え"っ！？その服可愛いだろ！！！｣

｢可愛くない！なんなのよこのヒョウ柄！｣

｢そうかァ…？なぁ、A。ウタが着てる服可愛いよな？｣

『…分からない。僕は好きだよ』

彼もまた、大きくなった。
まだ子供なのには変わりないが、少し表情が大人びている。

シャンクスにニコリと笑うと彼はほらァァ！！Aもそう言ってる！、とウタに言った。

｢二人共"おんなごころ"を分かってないもん！｣

｢女心ォ～？｣

｢わたしが教えてあげる！さっ！おままごとしよっ！｣

｢それがしたかっただけだろうが～～！｣

船の上を駆け回るウタとシャンクスを見て微笑む船員達。

『………』

彼の表情は影に隠れて見えなかった