オーバーアチーバー【菅原孝支】 (ページ4)

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第二話ページ4

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眠たい授業もあと五分。
10人ぐらいがうとうとしているこの教室は、暖房が効いていて私でさえも眠い。

無論、隣の菅原と後ろの瀬川は隠す気も無くスヤスヤと眠っている。

「じゃあここの問題解説のプリント配りますよ
はい寝てる人起きて～」

誰一人起きないままプリントが配られる。
前からプリントが来て、寝ている瀬川の机にプリントを一枚置く。

瀬川も菅原も後ろの席だから寝ていても後ろの人にはもちろん迷惑はかからない。

菅原はともかく瀬川は超が付くほどの馬鹿だから起こしてあげよう。

肩をトントンと叩くと「ん…」と声を漏らす瀬川。
ぴょんと跳ねた黒の髪を触り、眠たげに顔を上げた。

「あ、俺寝てた？ごめん木下
起こしてくれてありがと。」

『うん。今52ページの問題終わって、その解説プリントだから。』

「おっけ～」

瀬川はサッカー部の主将。
頭はアレだが運動神経抜群、サッカーでは全国大会まで行くほどの活躍だったらしい。

そしてまだ寝ているであろう菅原に視線を移すと、パチリ、視線がぶつかった。
どうやらもう起きていたらしい。

『…』

「…」

すぐに目を逸らすと、横から小さな声で「木下」と聞こえた。悪い意味でドキッとした心臓を押さえ、私は再び菅原に視線を向けた。

するといたずらっ子みたいに笑う菅原。

『何笑ってんの』

「俺も起こして欲しかったな～って！」

『頭良いんだから寝てても大丈夫でしょ』

「そういう問題じゃねぇべや！」