オーバーアチーバー【菅原孝支】 (ページ11)

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第九話ページ11

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菅原の後ろをついて行くと、体育館に着いた。
中からは沢山の声が聞こえる。

私は靴を脱いで体育館内に入ると、誰かが「龍！見ろあの三年生！美人！」と言い、それに反応した坊主の人が「美人！？」と連鎖した。

ガチガチの視線を向けられた私。

すると菅原は自分のリュックの中から私の筆箱を取り出し、「はい！」と眩しい笑顔で手渡した。

『ありがとう、菅原。』

「はーい！あ、良かったら部活見てかない？
…木下の事気にしまくりの後輩がいるからさ」

『あー…うん。良いよ
流石にこんなに視線向けられて帰れないし』

すると、とても大きな金髪メガネの男子が菅原に声を掛けた。ちなみに私は170センチと女子では高い方なのだが、彼はそれどころでは無い。デカい。

「何ですかこの人。」

「んー？あ、木下？俺の友達！」

「…そう言う事聞いてないんですケド。」

まあ良いや、と呟いてコートに戻る大きな彼。
すると次に…昼休みにグラウンドで見た黒髪の男の子とオレンジ髪の男子がやって来た。

「美人な人っすね！先輩の彼女ですか！？」
「日向ボゲェ！そう言うのはビブラートに聞くもんだってテレビで言ってたぞ！！」
「それオブラートじゃね？」

「ブフッ」「ツッキーが吹いた！？」

先ほどの大きな彼も笑っている。
ビブラートに聞くって…。きっと彼は馬鹿だ。

そして菅原は答えないまま…いや、答える暇が無いのだろう。わちゃわちゃと煩い二人を抑え込み、黙らせた。

…やっぱり菅原ってお母さんみたいだ。