鬼の一族と我々だ！【wrwrd！】【男主】

鬼が四匹 ページ6

ひとらんらんside





『本当か？それは良かった。その野菜、畑で作ったんだ。』



ひとらん「えぇ!?つくったの!?」



驚きのあまり声を大きく出しすぎた。
慌てて謝ると、気にしないで良いと言ってくれた。やっぱり優しいんだな。



ひとらん「でも、これを作ったの？本当に凄いね！」



『そうか？ありがとう。誉められることはあまりないから照れるな。』



そう言って、照れくさそうに頬をかいた。



『ひとらんが良ければだが、今度畑を見に来るか？』



ひとらん「本当?!見に行く！」



『良かった。他にも果物などを育てているから是非とも見ていってくれ。』



ひとらん「じゃあ、今度俺の畑も見に来てよ。俺も畑を作ってるんだ。」



『え、ひとらんは軍人だろ？』



ひとらん「あー、俺達のところは緩いから大丈夫なんだよ。鶏もうさぎも買ってるしね。」



『そうなんだな。それは興味深い、だが他の軍人達は良いのか？』



ひとらん「大丈夫、俺から許可を貰っておくから。」



『そうか、なら是非とも連れていかせてくれ。』



いつの間にか畑の話になってたけど、そろそろ昼だし昼食も食べ終わったしもう帰る準備をしなくちゃ。



ひとらん「ご馳走さまでした。また食べさせてよ。」



『あぁ、またいつでも食べに来い。いつでも作ってやる。』



ひとらん「本当？ありがとう。」



『いいえ。...さて、そろそろ出掛ける準備をしようか。』



ひとらん「うん、そうだね。」



食器を片付けると椅子に掛けてあった日本刀を腰にさし、帰る準備をする。



少しして、Aも準備が出来たらしく俺に一声をかけて外に出た



『此処はよく迷うからひとらんの家の方まで案内しよう。家はどの方面か解るか？』



ひとらん「えっとね、確か此処からだと西の方面だと思う。」



『ん、解った。じゃあ着いてこい。』



そう言われ、Aと話ながらも隣を歩く。



暫く歩くと外が見え、そこは見覚えのある場所だった。



『此処からは帰れるか？』



ひとらん「うん、大丈夫。逆に全然帰れるよ。」



そう言ってgoodサインを出すとAは微笑んで街を少し見渡した後、俺の方にまた向き直した



『それじゃあ、気をつけてな。また会おう。』



ひとらん「うん、またね。Aこそ気を付けてね。」



『あぁ、それじゃあな。』



そう言ってAは俺とは逆方面に歩いていった。
逆方向なのに送ってくれたのかと思うと改めてAの優しさを実感する

鬼が五匹→←鬼が三匹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す