探偵の娘と恋する契約期間。 (ページ9)

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安室「じゃあ、僕が高給取りにでもなればお付き合いしていただけるんですか？」

　そう伝えると彼女は顔を真っ赤にし大きな瞳をさらに大きく開いてみていた。
夜の仕事をしていると言っていたわりに初心なんだな
　まぁ夜といっても色々な職があるし、家がこんなに近いならゆっくり探るのもいいかもしれない。

　コナン君のことを探るならば彼女に想いを寄せる男性。
なんていうのはどうだろうか？
　毛利小五郎の弟子、下の喫茶店のアルバイト。
いくらだってコナン君に近づく接点が多くて困るなんてことはない。

『そ...そんなこと』

　そっと顔を近づけて「そんなこと、なんておっしゃらないでください」としゅんっとすると彼女は照れた顔をしてそっぽを向いた。

　すると軽くすかした窓から少し雨の匂いがして、はっとした。

安室「桜さん！そろそろ降り出してきたみたいです！急いで取り込まないと！」

「また、何かあったら僕に相談してくださいね」とだけ伝えると

　洗濯物が濡れまいかと慌てている彼女を見送り少しかたずけをして降谷零としての時間が来た。

　それにしても、男の前で寝てしまう彼女の危機感のなさも心配だが、まさか彼女が朝食を作り終わるまで起きないとは思わなかった。
　これでも仕事上物音や気配には敏感ですぐ目を覚ましてしまうのに。

　彼女に心を許してしまっているのか、なんて想いもしたがそんなありもしないことは頭の隅に置き、最近色々な仕事が重なって睡眠の時間があまりなかったから疲れてしまっていたのだろうと思うことにした。

　今日は少しゆっくりしすぎたな。
とグレーのスーツに着替え今日の仕事にとりかかることにした。