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『バーボン、お好きなんですか?』
と聞くと彼は少し俯き持っていたグラスを傾けながら
安室「あぁ。これは好き...というよりこのバーボンには少し色々ありまして...」
安室「昔はこの香りが好きで飲んでいたのですが今では色々な気持ちが入り混じっている状況ですし。」
彼は少し考えこむようなそぶりを見せたがそれもなかったかのようにパッと向き直って
「そういえば」と話を変えた。
きっと彼も彼なりに多少なりとも悩み何かもあるのだろう。
彼のように整った顔をしていると酸いも甘いも色々な恋をしてきたのだろう。
『そぅですね、味や匂いって色々なことを思い出してしましますしね。』
と返すと彼はそっと私の顔を見つめ「敬語」とだけ呟き真剣な眼差しからいつもの優しい顔に戻っていた。
『あぁ、そうでした。
でも透さんだって敬語じゃないですか。』
と少し拗ねたようにつぶやくとクスリと笑い
「僕のは癖のようなものなのですが...頑張りますね。」
『は…うん!私も頑張る!』
と言ってみるがいまいちどう言葉を発すればいいのか戸惑う。
いつもの仕事のようにと、振る舞うことだって出来るのに、安室さん相手だとなんだか言葉も行動も、自分自身がよくわからなくなる。
安室「では、本題に入ろうか。
僕は桜さんのことを知るためにここに来たんだ。」
急に口調を変えた安室さんがなんだかいつもと違う雰囲気に感じて少しドキリとした。
『そうで...だった。』
安室「フフッ僕のために頑張ってくれてありがとう。」
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作者名:クロユリ(。・ω・。)ノ? | 作成日時:2017年11月4日 1時