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「希、さん…?」
「…どれだけ辛かったんだろうと、思ってね」
ふわふわとしたそれは、ハンカチだった。
何故ハンカチなのかと思えば、頬に水滴が乗っている感覚があった。
何故、泣いていたのか、私には分からない。
この人が言うように、私は"辛かった"のだろうか?
…分からない。
すべてが、ワカラナイ。
「なんか、難しい顔してるね。」
「そうなんですか?」
うーん、と担当医が唸る。
私は、難しい顔をしてたのか。
確かに私はいつも通り自問していた。
自分が何をどう感じているのか、分からなくて。
でも、さっき、お寿司を食べてる時。
あの時はきっと"幸せ"だった。
分からないけど、言葉に変えるなら、そうであったはず。
「…幸せ、って何ですかね」
いつも通り、疑問を口にすると、
「正の感情が、強い時かな」
なにか、答えが返ってくる。
それが幸せと感じるのは、答えが返ってくるのが嬉しいと感じているからだろうか。
私は今、嬉しくて、幸せなのだろうか。
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作者名:桜花 | 作成日時:2021年2月10日 13時