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スネイプ先生は仕事が終わると何も言わずに自分のベッドに横になった。
目が覚めてしまった私は何をするでもなく ただソファに座っていた。
(…やることもないし、少し校内探索にでも行こうかな？)
そう思いソファから立ち上がる。
静かに扉の方へ向かう。
ス「どこへ行く。」
『…！！』
静かな部屋にバリトンボイスが響く。
『あー、いや。御手洗に…。』
ス「…。」
疑われるかと思っていたが意外にも何も言われなかったので、そのまま部屋を出た。
――――
私が まず最初に行きたかったのは、やっぱりファンとしては外せない【みぞの鏡】だった。
なるべく足音を立てないようにして廊下を歩いた。
しばらく歩いて 見覚えのある大きな鏡の前に来た。
私は鏡の前に立つと、誰が映るか緊張しながら見つめた。
元の世界の家族か、友人か。
それとも先生か。
『…？』
鏡は何も映さなかった。
いや、何かを映そうとして白いモヤが渦巻いていた。
きっと元の世界の誰か。
テキトーだが母親だろう。
恋人も特別な親友も特にいない私は、そのくらいしか思いつかなかった。
てっきりスネイプ先生が映るものだとばかり思っていたから、何だか気が抜けた。
『ふっ…スネイプ先生、私のマミーより格下だったね…。』
スネイプ先生が映らなくて少し悲しい気持ちを笑いで誤魔化そうとした。
『…あんまり遠くに行くと戻れなくなるから、そろそろ戻ろうかな。こんなとこにいたのバレたら先生も怒るだろうし。』
そう独り言を呟いて、来た道を戻って行った。
――――
静かに部屋のドアを開けると、部屋を出たときと変わらずにスネイプ先生はベッドの中にいた。
(スネイプ先生も寝るんだな…。ちゃんとした「人」だ…。うん。)
くだらないことを考えながらソファに横になった。
私は再び目を閉じた。
数時間後にはダイアゴン横丁でスネイプ先生と2人で(良いように言えば)デートと思うとドキドキした。
――――
「―――。――――！」
『zzZ』
「―――！」
『…zzZ』
ス「起きろ！Msナマエ！」
『…！』
朝。
スネイプ先生の声で目が覚めると、顔のすぐ近くまで先生の杖が来ていた。
『な…なんですか…。;』
ス「起きろ。あと30分後には出るぞ。」
『で、デート…！』
ス「ぬかせ。」
『すぐ着替えます！！』
私は、光の速さの如く すぐに私服に着替えた。
服を掴むその手は嬉しさで震えていた。
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作者名：ハムカツ王子 | 作成日時：2018年10月25日 20時
