【ハリ】私がトリップした話【ポタ】 (ページ3)

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『スネイプ先生、私、ふざけてなんかないですよ。』

ス「貴様、さっきから夢夢と…。」

『だってこれは私が見ている夢の中ですもん。』

ス「それをふざけていると言っている。」

『だって…っ、』

言いかけてやめた。

―だって、これが現実ならバイト先で倒れた私は今頃病院のベッドの上で寝てますよ～！あはは～！―

なんて今言おうもんなら本当に殺されそうな顔をしている。

私はそれ以上言い訳ができなくなって俯いた。
せっかく会えたのに、殺されて夢から覚めるなんて悲しすぎる。

ス「夢なら痛みも何もないだろう。」

『…！ぃ…たぁ。』

顔を覗き込まれておデコを杖で小突かれた。

ス「…ドアに頭をぶつけたときも痛いような声を出していたようだが？」

『…いぃいぃたい！痛い痛い痛い！！！』

今度は杖の先でおデコをグリグリされる。
痛い。めちゃくちゃ痛い。

ス「貴様、どこから来た。」

『スネイプ先生は私をどこで拾ったんですか…。』

スネイプ先生から少し離れ、おデコを摩りながら質問を質問で返す。

ス「先に我輩の質問に答えろ。会話もまともにできんのか貴様は。」

『わからないんです！！』

ス「な…っ、貴様…『ここは私のいた世界じゃない。』

真剣な顔をして真実を話した。
信じてくれるとは思っていなかったけれど。

ス「…貴様は、暴れ柳の近くに倒れていた。頭から血を流して。」

『…。;』

やっぱり、だった。
その時点でもうおかしい。

『トリップ…したんだ…私。』

ス「頭でも打っておかしくなったか。」

『ち、ちが…！ホントに！！』

大好きなスネイプ先生の前でお恥ずかしい事をベラベラと言ってしまった事を後悔した。

大好きな世界にトリップした。
嬉しいことのはずなのに今はこの場から逃げ出したい気持ちしかなかった。

『…あっ！スネイプ先生、私の持ち物は！私を見つけたとき何か持ち物…！』

ス「あそこに置いてある。」

先生は窓際の机を指さした。

『スマホ、だけ…。』

アルバイトしてたときに倒れたんだ。これしかないのは当たり前とも言える。

画面を付けることはできた。
ただ、案の定、圏外と表示されていた。

ス「…なんだ、それは。」

『…ぅあ！？ちょっと！勝手に見ないでください！！』

ス「我輩が…映っていたように見えたが…。」

『あー！よく似た映画俳優さんです！はい！！』

画面を閉じるとスマホを画面を下にして後ろに隠すようにして机の上に乱暴に置いた。