やぶくんとひかるくん【３】（短編集）

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ひかるside




…何回……同じこと繰り返してんだよ……オレ。


もういい加減慣れないと

このままじゃ絶対…俺が薮を好きなこと…バレる………


そしたら、今までの関係が全部壊れて
もう隣にはいれなくなっちゃうだろう


それだけは…絶対いやだ。



だけど、……さっきのは…完全アウト、だよな…､?




『…………ひか?』


俺が悶々としながらトイレまで向かってたら
後ろからかけられた少し高めの声。


｢大ちゃん……………。｣



振り返ると、遅刻して走ってきたのか
息が少しあがってる大ちゃん。



｢どうしてここにいんの?｣


『あー、俺珍しく寝坊しちゃってさ！
だからやべーってなって走ってきたら

ひからしき人がいるな、って思って』


｢いやいや、大ちゃんの寝坊は珍しくないだろ(笑)｣



あはは、バレた?って笑う大ちゃん。




『…で?また薮くんとなんかあったの?』



…そう。実は俺が薮に片思いをしてること、
薮以外のメンバー全員にバレている。

最初は隠そうとしてたんだけど、

俺ってなんか分かりやすいらしくて、すぐバレた。



それなのに肝心の薮はまったく気づいてくれなくて。


いつもはメンバーの異変とか体調が悪いとか
すぐ気づくのに、こういうのは鈍感な薮。


まぁ、気づかれたら困るのはこっちなんだけど。



俺だってこの薮に対する特別な恋愛感情に気づいたのは
ほんの2.3ヶ月前くらいで、最近だ。


だけど自覚した途端、薮のしてくる行動の
１つ１つにドキドキしちゃって…、

さっきみたいに薮がメンバーとスキンシップとる度に
胸が鷲掴みされたように苦しくなって…、


だけどそれも言えなくて。


そんな日々が続いている。




｢……別に。なんもねぇよ｣


『もー、ひか今自分がどんな顔してるか分かってる?
今にも泣き出しそうな顔してるよ?

ほら、何があったのかこの有岡に教えなさいっ！』



大ちゃんはそう言うと、
自分の胸をポンッと叩いた。

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