やぶくんとひかるくん【３】（短編集）

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薮side



｢おはよう〜｣



次の日、俺が楽屋に行くと既に
山田と知念とひかるが来ていた。



涼介『あっ！薮くんおはよー！』


知念『こーたおはよ♪』


光『………おはよ。』




メンバーの顔を直接見たら昨日の夜みたいな感情が
あっという間に消えていく気がした。



.
.
.



今日も大ちゃんは遅刻だったけど、笑
全員揃って、撮影がはじまる。


人数が多いが故に時間がかかるJUMPの撮影。



山田と伊野尾は合間を縫って台本の
読み込みをしていたり、

みんな…本当に忙しそうだなぁ



裕翔｢ねぇねぇ、薮くん！これ見た?｣


俺がそう思いながら周りを見渡してたら
いきなり話しかけてきた裕翔。


それは、俺と裕翔が好きなアーティストの雑誌だった。



『あー見た見た！そうだ、あれ見た?
26ページのさぁ、、、、』


｢ちょっと待って！まだ、俺見てないんだよー
最近映画のPRとか忙しくてさ、｣


“薮くんはもう見たんだ、いいなぁ〜”



そう言いながら呑気に笑う裕翔。



…なんだよ。お前は仕事がなくて暇だな、って言いたいのかよ?


裕翔は自分が主演の映画があって、
そのPRがあって忙しいですって、

仕事がない俺にアピールしたいのかよ?



そんなこと、あるわけないのに考えてしまう。



こんなに焦ったって、なんも変わんねぇのに。


こうやって、今メンバーが頑張ってくれて、
それが結果JUMPに戻ってきてくれるならいいじゃないか。


頭の中では分かってるのに。

いつから俺はこんな醜い感情をメンバーに
持つようになったんだろう。

こんなこと…絶対誰にも言えねぇけど。

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