やぶくんとひかるくん【２】（短編集）

_４ ページ9

薮side



らじらー終了3分前。



ひかるが一生懸命ファンの子が送ってくれた
お便りを読んでいるときだった。





『 んっ...ちょっ...伊野ちゃっ...// 』





へ...？なにこれ？

この声...どう考えてもひかるだよな？




は？なんでこんな甘い声だしてんだよ？



しかも伊野尾に。






頭の中がパニックになって、

だけど...




もしや、伊野尾のやつさっきキスできなかったからって
今してるんじゃ...！




って思ったらやっぱりそれは正解だった。






慧｢ へへっ隙あり〜♪な？キス癒されるだろ〜？ ｣







そこからさきはもうなにも聞こえなくって。
ただ頭の中が真っ白だった。







伊野尾にキスされてんのに
あんな気持ちよさそうな声だしてるひかるが
嫌だった...し、





やっぱり、伊野尾とひかるって...


そんなことを思ってしまう自分も嫌だった









もう怒る気すらもおきなくて
ただそのままソファに座っていたら
ニュースが流れ始めたから




“あ、らじらー終わったんだ...”って思って

ラジオをとめる。






ひかるに、どんな顔をして会おう。





『 なんで他の男にあんな声出してんだよ 』

なんて言ったら重すぎるし


『 伊野尾が好きなの？ 』

とは怖くて...とても聞く勇気はでない。







...今日は合わせる顔がないから今日は自分ちに帰ろう。





ﾋﾟｺﾝｯ




そんなときに鳴った俺の携帯。




送り主はまたしても伊野尾だった。





『 なんなんだよ...あいつ... 』




少し不機嫌だった俺は伊野尾から送られてきた写真を
特になにも疑いもせずに読み込んだ。






けどその写真を見た瞬間







おれの時間は...とまった。

_５→←_３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す