やぶくんとひかるくん【２】（短編集）

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光side



でも、そんな思いをするのも今日で終わり。

だって…、今日はクリスマスイブだから。



クリスマスイブは恋人と過ごすものでしょ？

勿論、クリスマスも。



だから、きっと薮は帰ってきてくれる。



そうしたら、


『薮、結婚なんてしなくていい。
気持ち悪いって思ったならごめんね…？

結婚って言ったのが嫌だったなら、

もう俺は結婚のことは忘れるから、
薮の…隣にいさせてください！』



ってお願いして、この少しギクシャクした関係を
今日で終わらせるんだ。


.
.
.


今年のクリスマスイブはらじらーがあるから
軽くご飯をとって、外に出る。

マネージャーが待つ車に乗り込んで、

いつもだったら伊野ちゃんの家に止まるんだけど…



『あれ？今日、伊野ちゃん家寄らないの？』


｢聞いてないんですか？今日は伊野尾さん、
自分で来るらしいですよ。｣


『あ…そうなんだ、ありがとう』



…珍しいな。

なんか予定でもあるのかな？


.
.
.


集合時間を少し過ぎてから、
伊野ちゃんはやって来た。



｢ごめんごめん！遅れちゃった｣


『大丈夫だよ〜。なんかあったの？』


｢あー…。薮と出かけててさ｣



え…？薮と、って2人っきりってこと…？



『えっと…どこ行ったの？』


｢…光には関係ないから大丈夫だよ。｣



…俺に関係ないことは全部教えてくれないの？



ってか、｢関係ないから大丈夫｣って台詞、
薮からも聞いたわ。


俺に関係なくても、気になるもんは
気になるのに…、

一体…薮と伊野ちゃんはなにをしてるの？



素直に聞ければいいけど、オレは…聞けない。

重いヤツだなんて思われたくないし、
もし聞いて、俺が聞きたくないことだったら…

もしも、そうだったらって想像するだけで怖い。

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