やぶくんとひかるくん【２】（短編集）

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光side



今日は東京でも何年かぶりくらいの大雪で
それなりに積もっていた。


昔、Jr.のころ雪合戦してやぶと遊んだな…



ってか、どうやって謝ろう…



悪いのは明らかに俺だし、
ちゃんとやぶに本当のことを伝えないとって
心ではちゃんと分かってるんだけど…。





外に出ると俺の吐く息が白く見える。

寒いな…


上着はやぶの家に置いてきてしまってたし、
傘も持ってなかったからそのまま雪が俺に降りかかる。



こんな日に喧嘩とか最悪だわ…



そう思いながら、俺の家へと向かう。


こんなはずじゃなかった、俺の…休日。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




薮side


なんだよ…ひかるのやつ。


少し寂しそうにしてたから、
構ってあげようとハグしたら

俺の腕からソロりと抜けて出ていってしまって。



だけど伊野尾と電話中だったから
追うことも出来なくて。



やっと伊野尾との電話も終わって
ひかるのところに行ったら携帯を見ていた。




なにしてんだろ？って興味本位で見たら



“これは2人だけの秘密の話だな！”


という大ちゃんからのメッセージ。





…俺が伊野尾と話してるから大ちゃんと？

…俺以外の男でも構ってくれるなら誰でもいいのかよ？



ってか、2人だけの秘密ってなんだよ?!




いろんな感情が頭の中で混ざる。



でもそれも、

『2人だけの秘密ってなんだよ…？』

って聞けば解消出来ると思った。



俺らには隠し事とか秘密なんて言葉は似合わない。


Jr.のころからずっと一緒にいたから
ひかるのことは全部分かってきたつもり。

もし分からなくなったらひかるに聞けばいい。



だけど、ひかるは…


｢えっと〜それは…｣

って分かりやすく口を濁した。




だから、なんとかして聞き出そうとしたけど
頑なに口を開こうとしないひかる。



なんだよ…？俺にできない話って。



俺がひかるに
｢やぶと伊野ちゃん、なに話してるの？｣って
聞かれたときは素直に答えたのに。



そう思ったらすごいムシャクシャして、
『いいから、帰れ』って言ってしまった。



こんなことで怒るとか子供か…



外をふと見れば珍しくふる雪。


…昔は、俺もひかるも素直で純粋だったな。



あの頃だったらこんなことで喧嘩にも
ならなかったのかな…



…だけど、今回は明らかに俺に秘密を作った
ひかるが悪いだろ?!


そんな変な意地を張って、俺はベッドに横になった。

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