やぶくんとひかるくん【２】（短編集）

_４（おまけ） ページ23

おまけ ※次の日

伊野尾side




薮『 伊野尾〜やっぱ旅行パスだわ 』




次の日、薮に会って一言目がこれ。

挨拶よりも先に旅行断るって...




｢ どーせ光だろ〜？ ｣



って少しからかえば、




薮『 せーかい。笑 ひかるのこと構ってやんないと 』




...どんだけ光中心男なんだ。



...少しは、同期の俺を見てくれたっていいのに。





そんな意味を込めて





｢ 俺も構えよぉ〜 ｣ って言えば




薮『 冗談言ってんじゃねぇよ笑 』




ってスルーされる。





俺は...冗談なんかじゃなくて本気なんだけど。



だけどそんなこと言って関係が崩れるのは嫌だから




｢ まぁ、2人でお幸せに♡ ｣




って“ 演技 ”でやぶを祝福する。






薮『 ありがとな 』




そう言って光が待っているであろう楽屋へと

足を進める薮を、俺はただ見つめることしか出来ない。






この気持ちに気づいたのは随分と前だけど、

その頃にはみんな“ やぶ＝ひかる ”っていうイメージが

付きすぎていて。




ずっと...薮のことを見てたのは俺なのに。





“ たまには、俺にも構え... ”




一言、そう呟いて俺はその気持ちを

胸に閉じ込める。





___いつまで、この気持ちを胸に閉じ込めるんだろう。





そんなことを不意に考えたりするけど

弱虫な俺はこの薮との微妙な関係を変える勇気もないから



きっと、いつまでもこのままなんだろう。



そして、毎日同じことを思うのだろう。





“ 明日になったら構ってもらえるのかな... ”







end♪

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