やぶくんとひかるくん【２】（短編集）

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光side




だけど、家に帰ってやぶと2人になったら

そんな寂しさなんてどこかに飛んでいって。





玄関に入ってすぐやぶを抱きしめたら

俺が大好きな匂いがする。




ずっと触れたかった温もりに触れられて、

涙が出てきたからやぶの背中に顔を押し付けて隠す。






薮『 今日は甘えたさんなの？可愛いなぁ 』



｢ ...だって...、楽屋でみんないると話せなくって...寂しかったんだもん。 ｣



薮『 みんながいる前で近寄るなって言ったのはひかさんですよ〜？ふふっ 』



｢ うっせぇ...みんなに俺だけのやぶ見られたく...ないし。 ｣



薮『 ｯ...どこまで可愛いんだよ...

てか、寂しかったなら話しかければいいじゃん？ 』



｢ ...伊野ちゃんと旅行の話とか...してたし。

やぶ、すっごい楽しそうだったもん... ｣





やばい。思い出したらやっぱり悲しくなってきて

泣いてる顔なんて見られたくないからやぶに背を向けた。






だけどそれも、やぶが



『 こっち向け、ひかる 』って言って



抱きしめてきたからやぶのほうに向き直す。






やぶはあの優しい人を癒す笑顔で笑ってて。


また涙が溢れてくる。




...俺っていつからこんなに涙脆くなったんだろ。





俺の瞳から零れる涙をやぶはひとつひとつ丁寧に

ぬぐってくれた。





薮『 ひかる...泣くなよ 』


｢ 泣いてなんかねぇよバカ... ｣




泣いてることなんてバレバレなのに、

精一杯の強がりでごまかす。





薮『 泣いてるのバレバレだっつーの笑 』





やぶは全部お見通しで、少し笑ったあと

俺のことをまた抱きしめてくれた。





｢ やっぱ...、落ち着く。 ｣


薮『 ん。明日からは楽屋でも...こうやってひかるのことまた抱きしめたりしてもいい？ 』



｢ ...しょうがないから、許す。 ｣



相変わらず俺は可愛くない言い方しかできないけど、

それでもやぶは





薮『 やっぱ俺の隣はひかるじゃないとな 』



ってちゃんと気持ちを伝えてくれるから

たまには...、




｢ 俺の隣も...やぶじゃないと、ダメ...だよ。 ｣




って柄じゃないこと言ってみる。



そしたら



『 いきなりは反則だろ！///// 』




って珍しくやぶが照れてるから少し面白くなって

やぶに俺からキスを落とした。




『 ひかる...この続き、してもいい？ 』


｢ 構ってくれなかったぶん、たくさん...俺のこと構えよ ｣





___夜は、まだまだ長い。





end♪

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