やぶくんとひかるくん【２】（短編集）

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光side




ずっとやぶを見てるけど、そんなに話が楽しいのか

全然こっちには気づいてくれない。




｢ ばかやぶ... ｣




憎まれ口を叩いても、突っ込んでくれる人もいない。





｢ はぁ〜... ｣



悲しくなってきて目を伏せようとした、






...そのとき、やぶと目が合った。






薮 “ どうした？ ”





やぶが口パクで聞いてきたけど、

俺はやっぱり可愛くなくて





“ 別に？なんでもねぇよ ”



薮 “ なんか悩んでるように見えたけど？ ”



“ そんなことないから大丈夫だってば ”



薮 “ そっか ”






あー、俺なにやってんだ。






俺の心はこんなに寂しいって叫んでるのに

口は思う様に動いてくれなくて。





今度はやぶは伊野ちゃんのところに行っちゃった。






“ 分かれよ、ばか。... ”




自分が伝えないからいけないのに、

やぶのせいにしてしまう。







楽屋にいると嫌でもやぶの楽しそうな声が聞こえてきて。








薮｢ この前のめざましのいのおピクチャー俺出たじゃん？母親から電話かかってきてさ、美味しそうなもの食べてるねって(笑) ｣


慧『 アレ美味かったよな〜 』


薮｢ なー。めっちゃ幸せだったわ ｣


慧『 またいのおピクチャー出ちゃう？笑 』


薮｢ お、出たい！笑 ｣


慧『 今度はどっか2人で出掛けようぜ 』


薮｢ どっか遠いところ行きたいねぇ ｣


慧『 じゃあさ、...... 』








もう、こんな話の続きは聞きたくない。



イヤホンをはめて、音楽を聞いてるフリをする






だけど、考えてしまうのはやぶのことばっかりで。






“ いつか離れていってしまうのかな ”


“ 2人のときしか話せないなんて嫌だよな ”


“ なんで俺、こんなに可愛くないんだよ... ”


“ 俺が女だったら... ”






そんなことばっかり頭の中でぐるぐる回る。

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