やぶくんとひかるくん【２】（短編集）

_９ ページ14

薮side



カメラマンさんに


『 ハグしてください！ 』って指示される。



いつもは伊野尾が俺に覆い被さる感じだから
今回も、って思ってたらいきなり




『 薮もたまには抱きしめて 』



なんて伊野尾が言ってきて。




少し恥ずかしくてしぶしぶ抱きしめると、
なんだか...甘い香水の匂いがした。





『 お前...、香水つけはじめたの？ 』


慧｢ 悪いかよ〜 ｣


『 いや、別に俺には関係ないけどさ。いい匂いだね 』


慧｢ うん、いい匂いでしょ？ ｣


『 俺、その匂い好きだわ 』




そう言うと伊野尾がなんかたくらんだような目で
｢ ありがと ｣って言ってくるから


もしかしたら...、もしかしたらだけど、



...その香水、ひかるとオソロイ？


ペアルックとかしたらバレるからバレないように
香水...オソロイにしたのか？




って勘ぐってしまう。





はぁ...


なんでもひかるに繋げてしまう自分に呆れてしまうし
メンバーをこんな目で見てしまう自分も嫌だった。






伊野尾はこれで撮影が終わりみたいで、

｢ ひかるー！ ｣って言って走っていった。




その後ろ姿を見送ったあと、





俺はまだピンの撮影が残ってたから
そっちの撮影へとむかった。

_１０→←_８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す