やぶくんとひかるくん（短編集）

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光side



『んっ……ちょっ…はぁっ…伊野ちゃっ……！』


｢ へへっ隙あり〜♪な？キス癒されるだろ〜？ ｣




伊野ちゃん…！ふざけるにも程があるだろ！？


怒ってやろうと思って声を出すけど



『おっ…お前…！いきなりなにす｢光さん？｣』


｢今はラジオ中ですよ〜？｣


って上手くかわされてしまった。







なんで…よりによって薮が聞いてるときに…


いつもこんなふうにしてるって思われたら

どーしてくれるんだよ…。





まぁ…薮ならきっと話せば信じてもらえると思うけど。




『襲われるな』って言ってたけど、
これは襲われたには入らないもんな？


だって、ハンカチ越しだったし。




って思いなおして残りわずかな時間を
何もなかったかのように楽しんだ。


.
.
.



ラジオが終わってスタジオを出る。



『ラジオでみーんなに聞かれてんのにあんな甘〜い声出しちゃってさぁ？可愛いかよ〜』


なんて呑気に言ってきた伊野ちゃん。




｢…やぶに俺が怒られるだろ…｣


『ハンカチ越しだったから大丈夫だろ〜？
あ…でも、怒られたら俺のところおいでよ？ 』



そう言うと、いきなり強く抱きしめてきた伊野ちゃん。



｢い、伊野ちゃん…！？｣


突然のことに頭が追いつかない。



『俺のハグで癒してあげるから♡』


っていつもの調子で言って俺のことを離した。



…なんか、いつもの伊野ちゃんじゃないみたい…？




少し思ったけどただのスキンシップ…？と
俺はあんまり疑わなかった。






だから…そのときﾊﾟｼｬﾘと鳴っていた

シャッター音にも気づかなかった。

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