やぶくんとひかるくん（短編集）

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光side


今日も順調に打ち合わせも進み、

｢らじらー｣『サタデー！』

…とうとう始まった。





今日は薮が聞いてくれてる…

そう思い出したら緊張して、

普段以上にたくさん噛んでしまう。




ラジオ直前に

｢今日は薮がらじらー聞いてくれるの｣

…と伊野ちゃんに教えたら


『へぇ〜？緊張してたくさん噛むなよ？ﾊﾊｯ』

って言われてたから余計に恥ずかしくて。




そしたら途中、伊野ちゃんが隣から
そこらへんに置いてあったメモ帳に

“薮が聞いてるからって緊張しすぎ(笑)”

って書いたメモを渡してきて…。



“うるせぇよ”って口パクで返す。




だけどやっぱりなんか…

薮が聞いてくれてるらじらーは特別で

久々に俺も納得のいく口説きもできた！



まぁ、結果は伊野ちゃんが勝ったけどさ…？




そんなこんなで進み、
1時間とは早いもので次が最後の企画。



『あなたの癒し方法教えてください！』



これは、リスナーさんの癒し方法を

伊野ちゃんと俺で確かめて、1番効く方法を探そう！

というものだった。





様々な癒し方法があった。


アロマとか入浴剤入れてお風呂につかるとか

キャンドル作りとか、…ハグとか。

あとはぬいぐるみに抱きつくなんかもあって



人それぞれだな〜ってお便りを見ながら思った。





｢伊野ちゃんはなんかある？癒し方法。｣


『んー…。俺の癒し方法は、キスだなぁ〜♡』



は…？！ちょっ…伊野ちゃん！

ラジオで何言ってんだよ！！///



｢また適当なこと言ってんじゃねぇ！////｣


だから俺はツッコミをいれたつもりだったんだけど…



『適当じゃ……ないよ？ひかるもしてみる？…キス。きっと癒されるよ……？ 』




ってさっきまでの雰囲気とはがらっとかえて
伊野ちゃんが迫ってくるから焦って



｢はいはい、もういーからいーから！｣

って言って押し離す。



そした唇を思いっきり突き出して、

“不機嫌です”オーラを出していたけど……


なんとか諦めてくれたみたいだった。




…と思っていたのは俺だけだったみたいで。





番組終了3分前くらいになって
俺がお便りを読んでいるときにいきなり
伊野ちゃんは…キスしてきた。



俺の唇に伊野ちゃんのハンカチを押し付けて。



しかも触れるだけじゃなくて
優しく伊野ちゃんはハンカチの上から
俺の唇を噛んできた。

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