やぶくんとひかるくん（短編集）

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薮said




VTRを見てるあいだ、テレビだと分かっていたけど
それでも笑顔を作ることが出来なかった。


そんな俺にひかるは、気づいてたのか…？


それとも俺には興味ないか。




ひかるの女装は本当に可愛かったのに…、

可愛すぎて…俺の醜い感情が邪魔をして、
どうしても素直に褒めてあげられなかった。



そうしたら光がこっちへやってきて。



｢ねぇっやぶっ？俺、似合ってたかなっ？｣



まるでトイプードルやチワワみたいに、

尻尾をフリフリさせた犬のように聞いてきた。



きっと、俺が褒めないからひかるから来たんだろう




普段は滅多に自らこないから相当自信あるんだなぁ





それなのに俺よりりゅうちぇるに写真を送ったひかるが

…どうしても、許せなかった。



だから俺は、本当に最低なことを言ったんだ



『別に似合ってなかったよ…？(笑)可愛くもないし、ひかるはテンション高かったけどさ、あんなんで山本美月さんに似てるとか失礼じゃない？(笑)』




もちろん、こんなの本心じゃなくて、
行き場のない八つ当たり。



だけどなんでも素直に受け止めるひかるには

そのまま、その言葉のとおり響いたんだろう




じわじわとひかるの目に涙が溜まってって

“あ、やべぇ”って気づいた時にはもう遅かった。

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