55. 友人の帰国 ページ9
怪盗仕事を終えた翌日。
ーー昼頃､港前
「……まだかなぁ」
「遅いな、ｱｲﾂ」
蓮之助は久しぶりの洋服のスーツ、Aはピンク色のドレスとハイヒールに身を包み、二人は、待ち疲れた様子でため息をつく。
数日前に、ドイツにいる友人から"こちら日本へ帰国する"という手紙が届き、二人はその友人を出迎えるために、ここ港で人を待っていた。
ーーボーン…。
二人の前に日本行きの船が、東京へ到着した。「おっ！」
「帰ってきた！」
二人は嬉しそうに叫ぶ、
。
。
ｺﾂｺﾂ…
片手にﾄﾗﾝｸと、大きな薔薇の花束を空いている方の手に持って船から降りてくる。
ｷﾗｷﾗと輝く金髪と青空のような綺麗な蒼色の瞳をした美青年。
「誰かしら？あの方」
「外国の方かしら?」
「素敵な人ね」
回りにいる女性方は、うっとりとした顔で彼に釘付けだ。
「ハウル！」
Aが嬉しそうに、ハウルに駆けていく。
「A」
船から降りたハウルは、自分に駆けより、目の前に立つAに花束を差し出す。
「はい、プレゼント」
「ありがとう！綺麗な薔薇ね。嬉しい！」
「それは良かったよ。Aも、数年会わないうちに綺麗になったね」
「もうからかって！相変わらずお口がお上手ね！」
「あれ〜?本心なのに」
「「はっはっはっ！」」
体を話すと、二人は笑いあう。
「ハウル」
蓮之助が煙草を咥えながら声をかけた。
「蓮之助！久しぶり!!タバコは相変わらずみたいだね」
「まぁな。ハウルも元気そうでなによりだ」
二人は、嬉しそうに握手を交わして、抱き合う。体を話すと、笑みを浮かべる。
「泊まるところはきまってるのか?」
「うん。帝国ホテルに泊まるつもりだよ」
「なら、先に荷物置きに行こうぜ。持ちながら移動するの疲れるだろ?」
「そうだね。…じゃ、お言葉に甘えさせてもらうよ」
ハウルは、にこりと笑って答えた。
「じゃ、行きましょハウル！」
「うん。」
ハウルは頷くと、ドイツ人風らしくAに腕を差し出す。
「どうぞ?お嬢様?」
「!」
Aは嬉しそうに、ﾊﾟｧと顔を嬉しそうにｷﾗｷﾗと輝かせてハウルの腕に、自分の腕を絡めて彼のエスコートを受け入れた。
「ふぅ〜…やれやれ」
二人の姿をみた蓮之助が、ため息をはく。
今回のハウルの帰国は、Aにはとても嬉しいことらしく、機嫌が最高潮に達し、喜んでいる。
まぁ、これはこれでいいか。
たまには、な…(笑)
ーー蓮之助も、自分が嬉しそうに笑っていることなど、気づいてなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾚﾝ | 作成日時：2019年6月22日 18時
