54. 私が決める!! ページ8
「私がしていることが無駄なことかどうかは、おまえが決めることじゃない！私が決める!!」
ｼﾞｬﾝﾇは、そう言って妖を睨みつけた。
「私の友人に手を出したこと、後悔しなさい!」
ｼﾞｬﾝﾇはそう叫ぶと、小さなロザリオを掌に乗せる。
「神の名の下に闇より生まれし悪しきものを」
ｼﾞｬﾝﾇが唱えると、ﾋﾟﾝがその中から出現する。
「ここに封印せん！」
ｼﾞｬﾝﾇが絵に投げつける。
「ﾁｪｯｸﾒｲﾄ！」
ｼﾞｬﾝﾇの言葉と同時に絵にﾋﾟﾝが刺さる。
「ｷﾞｬｱｱｱｱ！」
妖の声が絶叫する。妖はそのまま、ﾋﾟﾝの中に吸い込まれる。すべて吸い込まれると、ﾋﾟﾝはｼﾞｬﾝﾇの掌に現れ、ﾎﾟﾝッと音を立ててチェス駒に変わり、龍神白雪のいた絵画は白紙になっていた…。
「回収完了！」
ｼﾞｬﾝﾇは、チェス駒を手に取る。泉が倒れそうになり、ｼﾞｬﾝﾇは彼の体を受け止める。
「白雪が心配してたわよ。作家さん?」
ｼﾞｬﾝﾇはそう言って穏やかな顔で微笑んだ。彼の体を支えながらゆっくりと体を壁に凭れかけさせる。
「…後は頼んだわよ。白雪」
ｼﾞｬﾝﾇが誰かに頼むように言うと、
《えぇ。彼を助けてくれて、ありがとう。》
ｼﾞｬﾝﾇにそう言いながら、彼を気遣うように泉を穏やかな顔で見つめる霊体の白雪がいた。
。
。
「「ｼﾞｬﾝﾇ!!」」
異変に気づいた警察官たちが居間に乗り混んできた。
「やはり、おまえだったか！ｼﾞｬﾝﾇ！」
藤田警部補がｼﾞｬﾝﾇにそう言いながら叫ぶ。
「藤田警部補､遅いお着きね。そして久しぶりね。私の変装､今頃気づいたのね。」
「やはりな。裏口で服を脱がされたうちの部下を発見した。まさか、変装して潜入してくるとは…!」
藤田警部補がそう言うと、
「私を捕まえたかったら、もっと回りを疑いなさいな。一つの異変に気づけないようじゃ私を捕まえるのなんて到底無理な話ね。」
ｼﾞｬﾝﾇは不適な笑みを浮かべて言う。くっ、と藤田警部補が悔しそうに顔を歪めた。
「じゃ、絵の美しさもいただいたことだし、私はお暇するとするわ」
ｼﾞｬﾝﾇがそう言うと
「ここから逃げ切れるとでも思っているのか」
藤田警部補が険しい顔で言う。
「えぇ。余裕ね」
「何?」
藤田警部補がそう言った途端、ｼﾞｬﾝﾇがパチンと指を鳴らした。
すると、
ﾎﾞﾌﾝｯと煙をｼﾞｬﾝﾇを覆っていく。
「「!?」」
警察官の面々が驚愕して目を見開く。そして煙が晴れると、ｼﾞｬﾝﾇはいなくなっていた…。
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作者名：ﾚﾝ | 作成日時：2019年6月22日 18時
