50.彷徨う 白雪！彼女のＳＯＳ!! ページ4
《ｵﾏｴﾜﾀｼｶﾞﾐｴﾙﾉｶ?》
美しい髪を靡かせる白雪。宙に浮いている彼女は、自分を見つめるAを見つめる。
ーー二人の間が一瞬、止まったように思えた。
「…!」
Aは一瞬驚いて目を見開いたものの、自分が彼女が見えるのだ、ということを証明するべく頷いた。
《…ｿｳｶ。ﾐｴﾙﾉﾀﾞﾅ…ﾅﾗﾊﾞｵﾏｴﾆﾀﾉﾐｶﾞｱﾙ…》
「!」
Aは､鏡花を見つめて悲しそうに顔を歪める白雪に気づいて、彼女を見つめる。
《ﾀﾉﾑ…ｺﾉ鏡花(ﾋﾄ)ｦ､ﾀｽｹﾃｵｸﾚ…!このｵﾄｺﾆ､ｱｼｷﾓﾉｶﾞﾄﾘﾂｲﾃｲﾙﾉﾀﾞ…!》
白雪は、Aにそう訴えかけた。
「…!」
妖のことか…!!
名前は、鏡花に妖が取りついていることを確信した。見る限り彼は、数日前ぐらいに取りつかれているようだ。
「(色々聞いてみる必要がありそうね)」
Aは、魂依の力を使って、彼女と対話することにした。
〈どうして、私に…?〉
Aは、白雪と対話し始める。
《ｵﾏｴﾆﾊﾄﾃﾂﾓﾅｲﾂﾖｲﾁｶﾗｦｶﾝｼﾞﾙ。ｵﾏｴﾅﾗｶﾚｦｽｸｴﾙﾄｵﾓｯﾀﾉﾀﾞ。》
〈…確かに私は魂依で力を持ってるのは事実だけど、簡単に私を信じていいの？〉
《ｱｱ,ｼﾝｼﾞﾙｻ。ｿﾚﾆｵﾏｴﾉﾒﾊ､ﾂﾖｸｳﾂｸｼｲ、ﾅﾆﾆﾓﾕﾗｶﾞﾅｲﾂﾖｲﾒｦｼﾃｲﾙ。》
「…！」
Aは目を見開く。
《ｿﾅﾀﾅﾗ、ｶﾚｦｽｸｯﾃｸﾚﾙ…ｿｳｵﾓｯﾀﾏﾃﾞﾉｺﾄ…》
白雪はそう言って穏やかな顔で微笑んだ。
〈白雪…〉
《ﾀﾉﾑ…。ｵﾏｴﾉﾁｶﾗﾃﾞｶﾚｦｽｸｯﾃｵｸﾚ》
白雪の強い目に、Aは決意した。
〈…分かったわ。鏡花は、私に任せて?必ず彼を元の彼に戻してみせるわ…!〉
Aが力強い瞳で頷くと、
《ｱﾘｶﾞﾄｳ…》
白雪は安堵したかのように微笑んだ。
。
。
end
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作者名：ﾚﾝ | 作成日時：2019年6月22日 18時
