【明治東京恋伽】明治怪盗恋忌憚Ⅱ―森鴎外― (ページ18)

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64. 予告状！ページ18

…帝国ホテルの玄関入り口に、とあるカードが壁に挿してあった。

ーー予告状
今夜12時

帝国ホテルの美しき絵画
"陽だまりの少女早月"
の美しさ、いただきます！

ーー怪盗ジャンヌ
「これって…!?」
「ジャンヌの予告状！」
ホテルの従業員たちが騒ぎ始める。
「支配人に知らせろ！」
「警官達にも連絡を!!」
ホテル内は、バタバタと慌ただしくなっていった。
★

★
警察・妖邏課本部

「藤田警部補！」
警官の一人が藤田に駆け寄る。
「どーした!」
藤田が振り替える。
「予告状が…ジャンヌから予告状が来ました!!」
「「「!!!」」」」
警官の声に、その場にいた警官達が目を見開いた。
「どこだ！」
「はい！帝国ホテルだそうです！」
「なんだと!?」
ざわっ
警官たちが騒ぎ始めた。
「…?」
藤田は、親指と人指し指を顎に当てて考える仕草をとる。
(ジャンヌ…なぜ帝国ホテルに…?あそこに何か絵画があったか?)
「……」
今までのジャンヌの行動を振り替える。彼女に絵画を盗まれた者達に話を聞けば、彼女のお陰で悪い方へ人柄が変わった者達が、すぐに元のいい人格に戻ったという。
それも、前より明るくなった、前向きになれたと言う者ばかり。
ずっと、前から気になっていた…。
(ジャンヌ、おまえは一体何者なんだ…?)
「すぐに帝国ホテルに向かう!!すぐに警備隊を編成！着き次第、警備強化体制に入れ！」
「「はっ！！」」
警官達は、急いで帝国ホテルに向かって俥を捕まえて走り出した。
★

★
帝国ホテルを高い塔の上から見下ろすA。
「さて、と。久しぶりの怪盗業ね。腕がなるわ」
「…警官の数が多いな」
双眼鏡で、警官達の様子をみる蓮之助。
「そうだね。相変わらず暇人だよね、妖邏課の人たちって」
蓮之助の隣にハウルが立つ。
「「ハウル!?」」
蓮之助とAがビックリしてハウルを凝視した。
「やぁ。暇だから見学しに来たよ」
肩に愛猫のﾋﾟｰｳｨｰを乗せたハウルがにこりと笑った。
「何でここに!?」
Aがそう言うと、
「おまえ、鴎外はどうした！？」
蓮之助がそう言うと、ハウルがふわりと微笑む。
「ジャンヌの予告状が来たって聞いて、帝国ホテルの方に行っちゃったよ。僕は、ここで楽しみたいから遠慮したけどね♪サポートしようか??」
ハウルがそう言うと、蓮之助とAは苦笑した。
「いいよ、大丈夫」
「ありがとよ」
ふたりはそう言って呆れた顔をして笑った。