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47. 思わぬ来客 ページ1
――牛鍋屋・いろは
「ﾌｰ」
それは、いつも通り。Aが仕事終業時間前に、店の前を箒で掃いていた時だった。
「A！」
それは久方ぶりに聞いた声だった。
「音二郎！」
川上音二郎だった。
「仕事中にすまねぇ！今、持ち場離れても平気か!?」
「え?まあ、別に構わないけど…。」
「そうか！じゃ、ちょっと来い!」
そう言うと、音二郎はAの手を引いて駆け足で走り出した。
「えっ!?ちょっ、音二郎！そんなに走らなくても!!」
二人はそのまま、牛鍋屋を後にした。
。
。
彼がAを連れて来たのは、彼が歌舞伎役者として立つ舞台の裏側だった。
「はぁ、はぁ、」
Aが息切れしながら、
「ちょっと、音二郎!一体なんなのよ!?」
音二郎にAが問うた。
「A、おまえを魂依と見込んで頼みたいことがある！」
「は?なによ?突然」
Aは訳のわからないという風に、目をﾊﾟﾁﾊﾟﾁと瞬かせた。
「鏡花ちゃんの絵を盗んでくれ！」
「は!?」
Aは驚きのあまり、目を見開く。
「頼む!」
「……(･д･)」
そう言って頭を深々と下げる音二郎を唖然と見つめていた
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作者名：ﾚﾝ | 作成日時：2019年6月22日 18時
