40. 鴎外と蓮之助 ページ43
ーー夜、８時を回ったころ。
夕餉を済ませて、Aに薬を飲ませてベットに横たえると、
「ｽｰ…ｽｰ…」
暫くして規則正しい寝息が漏れ始めた。
「…」
今は鴎外達はいない。蓮之助にAを任せて、夕餉を取っている。
「ﾌｰ…」
蓮之助はAの様子を横目で見る。そして壁に寄りかかりながら、少し窓を開けてマッチで煙草に火を付ける。
少し吸って紫煙を吐き出した。
その時。
ｺﾝｺﾝｯ
ドアの向こうからﾉｯｸ音が聞こえたかと思うと、
「やぁ。京松くん」
鴎外が部屋に入ってきた。
「鴎外さん」
夕餉を済ませた鴎外が入ってくると､蓮之助が鴎外に視線を向けると
「Aは眠ったようだね」
そう言ってベッドの側にある椅子に腰を下ろした。蓮之助も煙草を吸い終わると、吸い殻を灰皿に入れてAに歩みより、上から覗き見る。
「えぇ。薬が聞いたみたいです。余程疲れてたんでしょう。普段から忙しい奴なので､こういう時はゆっくり休んで貰わないと…」
蓮之助がそう言って、穏やかな表情で言う。
「京松くん」
鴎外が口を開く。
「はい?」
蓮之助が鴎外に視線を向ける。
「…君とAの婚約は既に解消したと言ったね」
「?…えぇ。」
「君は本当に､彼女に恋愛感情はなかったのかい?」
鴎外がそう言うと、
「!」
蓮之助が一瞬､目を見開いたかと思うと、すぐに自嘲じみた笑いを浮かべる。
「何が言いたいんです?」
「君達の行動を見ていて、思ったことがあってな。彼女は別にしても、君はまだ元許嫁である彼女を想っているようにみえた。京松くん、君はまだ彼女のことを想っているのではないかい??」
「…」
鴎外の問いに蓮之助は黙り混むと、Aのほうに視線を向けて眠るAを見つめる。
「……確かにAのことは今でも大切に想ってています。ｺｲﾂが幸せになるためなら何でもしてやりたい。」
そして静かに口を開く。
「でも…それは俺の役目じゃなかった」
蓮之助は、切なさを含めた目で鴎外を見た。
「…鴎外さん。」
蓮之助は鴎外に呼び掛ける。
「?何かな？」
「…お話します。俺とAがどうやって出会ったのか。」
蓮之助は、目を伏せながら答えた。
「場所を変えましょう」
蓮之助は、静かにそう告げた。
。
。
end
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ﾚﾝ(プロフ) - 白玉さん» 更新お疲れ様です(>_<) いつも楽しく読ませていただいています。これからも更新楽しみにしております！ (2019年11月21日 13時) (
レス) id: 921bb5c416 (このIDを非表示/違反報告)
ﾚﾝ(プロフ) - 白玉さん» ようやく更新できました( ；∀；) 良ければ遊びに来て下さい (2019年10月2日 18時) (レス) id: 7f53fd8807 (このIDを非表示/違反報告)
ﾚﾝ(プロフ) - 白玉さん» ありがとうございます！励みになります！ (2019年9月11日 13時) (レス) id: 48b9dbf864 (このIDを非表示/違反報告)
白玉(プロフ) - ﾚﾝさん» お久しぶりです( `･ω･´ )ネタ探しわかりますなかなか妄想力も伴わないと書けないですよね笑楽しみにしております！ (2019年9月10日 15時) (レス) id: e6c45e943e (このIDを非表示/違反報告)
ﾚﾝ(プロフ) - 白玉さん» 返信遅くなりました！m(__)m ぼちぼち更新していこうと思いますが、中々進みません(--;)困った。早く更新できるようにネタ探し中汗亀歩きになりがちですが、気長にお待ちくださると嬉しいです(*^^*)今日は更新できるかなぁ。 (2019年9月10日 10時) (レス) id: 48b9dbf864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾚﾝ | 作成日時：2019年5月10日 22時
