37. 気がついた場所は… ページ40
ーー夜
「…ん」
Aが重いまぶたを開け、数回瞬きするとしっかりとした視界が広がる。
「…ここは」
Aが見つめるのは、明るいライトが照らされた天井。そして寝巻きに着替えさせられている自分の姿と、見慣れない風景。
「…」
ここは、私の部屋じゃないし家でもない。だったらここは、どこ??
「……まさか！警察!?」
音二郎がしくじったのだろうか?私の正体がバレた?でも、私の秘密を知る人はほんの僅か。バレるなんてよっぽどだ。
私は、警察に捕まえられたのだろうか。ならば、早く逃げなくてはっ。
明日にでも妖邏課の奴等に署にでも連行されたら一貫の終わりだ！
そんなの、冗談じゃない！
ーー私はまだ捕まるわけにはいかない!!
「…っ」
Aはまた、まだ熱で重たい身体をなんとかベッドから起き上がらせて、壁を伝いながら部屋の出口まで行こうする。
その時。
ｶﾞﾁｬﾘと部屋のドアが開いた。
「A！何をしているんだい!?君はまだ熱があるというのに寝ていなくてはだめではないかっ」
部屋に入って来たのは、着流し姿の鴎外だった。
「鴎外さん…?」
Aがふらふらして状態で鴎外を見る。
「さぁ。ベッドに戻るのだよ。まだ熱がある。安静にしてなくては」
鴎外はそう言うと、またAの背中と膝裏に、うでを回すと横向きに抱き上げた。
「きゃっ」
咄嗟にAは､鴎外の首に腕を回した。
ﾄｸﾝｯ…
Aは、胸の高鳴りを押さえながらも、鴎外の成すがままにそっとベッドに戻されて横にされ、ふわりと布団をかけさせられた。
「あの、ここは…?」
深雪が訪ねる
「僕の家だよ。」
鴎外が答えた。
「鴎外さんの…?あの、私…どうして鴎外さんの家に…?」
「昨日の僕たちが昼を食べに来たときに目の前で倒れたのだよ。流石の僕もビックリして肝を冷やしたよ。熱もあったし､きっと風邪だろうとは思うが、あまり無理をしてはいけないよ??」
「そうなんですか…。…すみません。ご迷惑をおかけして」
「迷惑など思っていない。ただ君が心配だっただけだよ」
そう言って鴎外は穏やかに笑った。
「……でも、いつまでもここにいるわけには…」
「構わないよ。風邪が治らないと､ろくに動けないだろう?好きなだけここにいるといい」
「でも、」
「いいからここにいなさい」
鴎外はそう言って手を握る。
「…ありがとうございます。鴎外さん…」
「あぁ」
穏やかに笑う鴎外をみて、Aも安心するようにふわりと笑った。
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ﾚﾝ(プロフ) - 白玉さん» 更新お疲れ様です(>_<) いつも楽しく読ませていただいています。これからも更新楽しみにしております！ (2019年11月21日 13時) (
レス) id: 921bb5c416 (このIDを非表示/違反報告)
ﾚﾝ(プロフ) - 白玉さん» ようやく更新できました( ；∀；) 良ければ遊びに来て下さい (2019年10月2日 18時) (レス) id: 7f53fd8807 (このIDを非表示/違反報告)
ﾚﾝ(プロフ) - 白玉さん» ありがとうございます！励みになります！ (2019年9月11日 13時) (レス) id: 48b9dbf864 (このIDを非表示/違反報告)
白玉(プロフ) - ﾚﾝさん» お久しぶりです( `･ω･´ )ネタ探しわかりますなかなか妄想力も伴わないと書けないですよね笑楽しみにしております！ (2019年9月10日 15時) (レス) id: e6c45e943e (このIDを非表示/違反報告)
ﾚﾝ(プロフ) - 白玉さん» 返信遅くなりました！m(__)m ぼちぼち更新していこうと思いますが、中々進みません(--;)困った。早く更新できるようにネタ探し中汗亀歩きになりがちですが、気長にお待ちくださると嬉しいです(*^^*)今日は更新できるかなぁ。 (2019年9月10日 10時) (レス) id: 48b9dbf864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾚﾝ | 作成日時：2019年5月10日 22時
