地獄ではない (ページ5)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:7,774 hit

起床ページ5

起床

red. side

どこからか鳥の鳴き声が聞こえて目が覚める

窓からだろうか、入り込んでくる陽の光と体で感じる柔らかい布団の感触

ーどこなんだろう、ここは

あの日起こったことは夢だったんだろうか

なんてことを思いながらふと足元に違和感を感じてゆっくりと起き上がると

「うわぁっ！・・・」

俺の足を枕にして寝ている男の人がいて、情けない声をあげてしまった

『・・・ん』

俺の声で起きてしまったのか男の人がピクっと反応して次の瞬間

ぱちっと目が開いて、ガッツリ俺と目が合う
・・・あ、この人俺のこと助けてくれた人、だよな・・・？

「あ、あの時はありがとうござい『こーち！寝る時はベッドに行ってって昨日も、

うぇぇええええええええ！！！！』

お礼を言いかけたその時、いきなりドアが開いて
黒髪で切れ長な目の男の人が入ってきたかと思えば、俺を見て幽霊でも出たのかと思うほどの大きな声で叫ばれた

もともと大きい音や驚かされるのが苦手な俺は思わず固まってしまったけど俺を助けてくれたこーち？さんは慣れているようで身を起こすと男の人のほうにスタスタと歩いていき

なんの迷いもなくスパァンッと頭をはたいた

黄「北斗うるせぇ！その驚いたら叫ぶ癖やめろよ。初めての人だったらびっくりさせちゃうだろ。」

黒「イテッ！だからって叩かなくてもいいじゃん・・・そりゃ2日間も高熱出して寝てたら誰だって死んだ？って思うでしょうよ。」

「え・・・？」

思わず口からこぼれ落ちた衝撃は、目の前の2人にちゃんと届いたみたい

黄「そう。俺がここに運んでからすごい熱が出ちゃって。君、丸2日寝てたの。パッと見何も持ってなかったから病院にも連れて行けなくてね。」

「ごめんなさい・・・」

改めて自分が今どういう状況か、どれだけ迷惑をかけたかを実感して
ただただ俯くしかなかった