地獄ではない (ページ13)

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決別ページ13

※しばらく平仮名表記続きます

照「おれには、もう、おやもきょうだいもいない。
いままでも・・ｹﾞﾎｯ、てきとーにいきてきたようなにんげんだ。・・・おまえいがいに、こんなにかなしんでくれるひとなんていないから。

・・・でもおまえは、ジェシーは
おれにとっておもうとみたいなもんなんだ、よ。

だからせんぱいとしても、アニキとしても、、
ここでたいせつなやつをはんざいしゃにするなんてそんなことできねえんだ。だからこれはおれからのさいごのわがままだ。

いいか、ジェシー。なにがあっても、いきろ。

いきてりゃいいなんてきれいごとにおもえるかもしれない。

それでもそのきれいごとってやつにひっしにしがみついていれば、じんせいすてたもんじゃないっておもえるひが、くるんだ。

・・・おれがおまえとであえたように。
いつかかならず、おまえをたいせつにしてくれて、おまえがたいせつにおもえるひとにであえる。

ジェシーならだいじょうぶだよ。ぜったいに。

だからいきろ。いきてくれ。ひっしになっていきぬいて、またあえたらそのときは

こんどこそ、いっしょにたんじょうびケーキたべよう。」

もう目の前は涙で霞んで
せっかくのヒカルにいの顔もまともに見えなかった

全身が震えながらも必死で頷くと、ぼんやりする視界の中微かに微笑む大好きなアニキの顔があって

そのあとのことはもう、正直よく憶えていない

転げでるように家を出て、ヒカルにいのために生きなきゃと雨の中を駆け抜けていたけど

だんだんその気力すらも雨に溶けてしまって

無様に転がってるうちにこーちさんに拾って貰われることになった

「・・・これが、あの日起こった全てです。
信じては貰えないかもですけど・・・だから、家が無いっていうのも本当のことでっ・・・！？」

話し終えたあと、前を向けず床に視線を落とすと

突然暖かくて優しい毛布みたいなものが覆いかぶさってきた

・・・俺、こーちさんに抱きしめられてる？

黄「・・・よく頑張ったね。」