地獄ではない (ページ11)

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誕生日当日
いつも通り仕事を終えて、2人でケーキなんか買っちゃったりして
大好きな先輩が家に来る、しかも俺の誕生日を祝いに

そのことに浮き足立って、俺は馬鹿みたいにはしゃいでいた

いつもは仕事から帰っても父親はいないから家は真っ暗で

あの日もそうだったから、完全に油断してた

照「お前のためにホールのチョコレートケーキ2個買ってやったからな。あー、俺ってまじいい先輩だわ。」

「待って待って、そのうちの1個半は絶対にヒカルにいの腹に収まりますよね？笑」

なんて軽口をたたきあいながら玄関を開けると

家のありとあらゆる食器が廊下に散乱して、どこからか差し込む月明かりに反射してキラキラと輝いていた

どこか美しい、けど
こんなことになるはずがない

そんな状況に

「なんっだよ、これ・・・」

頭に思いついた言葉がそのまま喉をつたってこぼれ落ちてくる
横を見るとさすがのヒカルにいも呆然としていた

＿＿ああ、そうだ
この月明かりはどこから来てるんだ
この玄関に、光が差し込むところなんてないはずなのに

ふと前を見るとリビングに繋がるドアが開いていて、そこから煌々と光が差し込んでいた

ふらふらと何かに吸い寄せられるようにリビングに入ると
ソファに深く腰掛け、憔悴しきった様子の父親が何かを握りながらぶつぶつと呟いていた

「・・・あんた、何してんだよ。」

2年ぶりに父親にかけた言葉がこれだなんて
なんか素っ気ないよなあ

なんてどこか他人事のように考えていると

アノオンナ

ウラギリヤガッテ

コノオレヲ

フザケルナ

ユルサネエ

ソファから立ち上がりながら女への罵詈雑言を機械のように繰り返しはじめた

ひどいカタコトだったが、繋ぎ合わせるとどうやらずっとご執心だった女に騙されて捨てられたようだった

＿こんなやつが、俺の父親なのか

もうとうに父親としての尊厳を失った目の前の男を哀れみさえこもった目で見つめていると

濁った灰色の瞳がようやく俺を捉えて

次の瞬間、どこにそんな力があるのかと思うほどの勢いで俺の体は窓に叩きつけられていた

目の前には憎悪に燃える血走った目
そして喉には包丁が突きつけられた

父「昔っからそうだよ、お前は・・・。いつも俺を見下したように見やがって。
ここまで誰が育ててやったと思ってんだ？
恩を仇で返しやがって。

馬鹿にするのも大概にしろよぉぉぉぉぉ！」

そう言われて俺の中で何かが切れた

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短くまとめるの難しい・・・

もう少し続きます！