99.家に帰りましょうか ページ16
『谷崎さんもナオミちゃんも、今日は本当にありがとうございました!!』
私が繋いでいる手と反対側の安吾さんの手を繋いでいるナオミちゃんと、そのナオミちゃんが腕を絡ませる谷崎さん。
大量の荷物を持ちながら精一杯のお辞儀をする。
「全然良いンだよ。
此くらいで良ければ何時でも。」
「ナオミも楽しかったですわ!!」
夕陽に照らされた背の高い影法師が探偵社へと帰る道に映し出される。
『安吾さんも楽しかったですか?』
私の腰ほどの高さにあるふたつのぱっちりとした瞳を見つめる。やっぱり睫毛長いなぁ。
「たのしかった!」
大人だった時には見られなかった、子どもならではのぷくぷくとした頬が紅く染まっている。
今日のお昼に異能にかかった時は、初めての境遇に怯えるだけの安吾さん(四歳児)だったが、このお買い物を通じて、私や谷崎兄妹には随分と慣れてくれたようだ。
「乱歩さんのお菓子はボクが渡しておくから、
Aちゃんは気をつけて帰ってネ。」
『すみません谷崎さん!!
本当にありがとうございます!!』
安吾さんを抱き上げ、引っ付いたり離れたりしながら探偵社へと向かう谷崎さんとナオミちゃんに手を振る。
『じゃあ、私達も帰りましょうか。』
「どこに?」
首を傾げて私を見上げる安吾さん。
……………可愛い。頭の上にハテナマークが見えるようだ。
『私の家ですよ。ちょっと狭いかも知れませんが、探偵社の社員寮なので、何かあっても安心です。』
安吾さんの手を引いて家路を歩く。
冷蔵庫の中身は……………と………
うん………死なない程度にはあるから大丈夫か………
「Aのおうち。」
『そうですよー。Aのおうちですよー。』
語尾に音符がついているかのようにご機嫌に呟く安吾さん。
今さらだけど、この人は子どもなんだと改めて思い出した。
『着きました!此処が私の家です。』
玄関に座り込んで靴を脱がせ部屋にあげると、
キョロキョロしながらも随分と楽しそうだ。
『先ずは手洗わないとですね!!』
荷物を部屋の隅に置いて、安吾さんの手を引いて洗面所に移動する。
『安吾さん何か食べたいものとかありますか?』
まあ言われても、作れる自信無いけどね(笑)
「うーん………とまと!」
小さな体でも、腕組みをして考える姿が安吾さん(大人)そっくりでちょっと面白い。
『トマトですか!それなら賢治君に貰ったのがあるので、晩御飯で食べましょうね!!』
あわあわの手のまま、鏡越しに私を見つめる顔がパアッと輝いた。
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あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» 今年の四月馬鹿はがっつり被ってましたね〜(笑)私も文マヨ開いて驚きました!!ちょっと書いては保存して……のスーパー亀更新なんですが、いつも見てくださってありがとうございます!! (2018年4月22日 15時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - ヤバいです!!更新するたびちび安吾可愛すぎます!!公式のが出てるのでなお想像がしやすくなりましたね!! (2018年4月22日 0時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» わ〜!!ありがとうございます!!頑張ります!!いつも応援コメントありがとうございます!!これからもどうぞよろしくお願いいたします!! (2018年4月8日 19時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - 受験生なんですか!!勉強が大変ですね。更新はゆっくり待ってますので無理をしないで頑張って下さい!! (2018年4月8日 18時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 結城憂樹さん» ありがとうございます!!ほんっとに、こういうコメント凄い嬉しいです!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2018年4月8日 18時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あねもね | 作成日時:2018年3月8日 18時