１１０.太宰治の話術 ページ28
黙々とパソコンに向かっていた国木田さんが不意に顔を上げて此方を見る。
「今日は悪かったな。いきなり押し掛けて。」
『いえいえ！！全然大丈夫でしたよ！！
学校でも人気者でしたし(笑)』
「ぜぇーんぜん泣き止まなかったもんねー。」
事務椅子に座ってクルクル回る太宰さんの一言に国木田さんの万年筆がボキリと音を立てて折れる。
「どうせまたお前が変なちょっかいをかけたのだろう！！泣く子を抱いて通学路を登る俺の身にもなれ！！」
「えーなにそれ国木田君
すっごいおもしろーい！」
「ふざけるな！！」
首を捕まれてガクガクと前後に激しく揺れる太宰さん。
「そう言えばAちゃん。」
『ふぁい！！』
何だびっくりするじゃないか。慌てて安吾さんから目を離し、窓際の上司二人を見る。
真面目な表情をした太宰さんは、椅子に座って足を組み、顎に手を当てる姿が腹が立つ程似合っている。
「安吾を見ていて分かった事があるのだけれど。安吾を大人に戻す重要な情報かもしれない。」
『本当ですか！？』
「子守りもたいしてしていなかったではないか。太宰が相手をしだした途端直ぐに泣き出したぞ。」
マジか………
太宰さんと安吾さんも旧知の仲っぽいけど実際仲良いのか悪いのか判んないからな………
「…………安吾とAちゃんは、もう少し本音で語り合う必要がある。実際、仕事での関わり合いも多く、Aちゃんは安吾のアシスタントして、お互いの事を良く知っている筈だ。しかぁし！！」
此処で、立ち上がって歩き回りながら話を進めていた太宰さんが勢い良く人差し指を此方に指し向けた。
「実際、安吾がAちゃんに対して思っていること………それはA」ちゃんもよく判っていないんじゃないのかい？」
安吾さんが、私をどう思っているか………
子どもは素直だ。
深層心理を鏡みたいに表へと表すことが出来る。
安吾さんや太宰さんに比べたら私はまだまだ子どもだけど、自分が子どもかと聞かれたら頷けない。大人とも言えない。宙ぶらりんだ。
ゆっくりと近付いてきた太宰さんに肩を組まれ、耳打ちされた左耳から直に声が鼓膜を震わす。
「安吾の本心を聞いてみたくないかい？」
『はい………きき……たいです……』
太宰さんと話すといつもそうだ。思考でさえ乗っ取られたようなふわふわした感じがする。
帰り道。小さな安吾さんの歩幅に合わせて昼と夜の
都会の明かりは昼夜問わず明るく、目的のスーパーには夜とは思えない熱と明かりを放っていた。
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あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» 今年の四月馬鹿はがっつり被ってましたね〜(笑)私も文マヨ開いて驚きました！！ちょっと書いては保存して……のスーパー亀更新なんですが、いつも見てくださってありがとうございます！！ (2018年4月22日 15時) (
レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - ヤバいです！！更新するたびちび安吾可愛すぎます！！公式のが出てるのでなお想像がしやすくなりましたね！！ (2018年4月22日 0時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» わ〜！！ありがとうございます！！頑張ります！！いつも応援コメントありがとうございます！！これからもどうぞよろしくお願いいたします！！ (2018年4月8日 19時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - 受験生なんですか！！勉強が大変ですね。更新はゆっくり待ってますので無理をしないで頑張って下さい！！ (2018年4月8日 18時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 結城憂樹さん» ありがとうございます！！ほんっとに、こういうコメント凄い嬉しいです！！ありがとうございます！！頑張ります！！ (2018年4月8日 18時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あねもね | 作成日時：2018年3月8日 18時
