安吾さんのアシスタントをしております！！壱

４４.電車から川にダイブとか…… ページ50

CRI○ISか！！！！

………そう心の中で大きくツッコミをした。

誘拐事件(私の)から数日が経ち、比較的平凡で平和な毎日を送っていた今日この頃。

いつも通り学校帰りに特務課へ向かい、パソコン書類の山へ向かっていた。

其処へ掛かってきた一通の電話。
その電話が私を非凡な毎日へと引き戻したのだった。

《１０分前》

プルルル…プルル
『はい。もしもし。Aです。』

日ごとに暑さが増す夏の風と共に書類が積み重なる特務課オフィス。
静寂を破いた電話は与謝野女医からだった。

「もしもし！Aかイ！
今から言う場所に直ぐに来るんだ！！
一般市民の多く乗る真昼の電車に爆発物が仕掛けられてる！！」

その言葉が終わる頃にはもう出る準備は出来ている。

『すみません！！安吾さん！！
仕事、帰ってきてからまたやります！！』

驚いた顔で此方を見詰める安吾さんに一言声を掛けながら、よく晴れた青空へと翔け出した。

「爆弾魔はポートマフィアの梶井基次郎だ。
此方は倒したけど車両の後方にいる敦がまだ危険だ。
早く来てくれ！！」

梶井基次郎って……暫く前の丸善ビル爆破事件の……？
既に倒したとか流石与謝野先生。

たまに、電話越しに男の悲鳴が聞こえた。

電車っていうのはあれ…………？？
与謝野先生に指定された場所の上空で浮遊していると、第一車両が黒焦げで窓ガラスが砕けちっているを電車が川の上に架かる橋へと走ってくる走ってくる。

その時、ポッカリと斬れたドアの部分から飛び出た何か。
…………敦君！！？？

鮮やかな赤色の着物を着た少女を抱き抱えている。

『敦君！！！！』

叫んだ時には体が動いていた。
川へと向かって真っ逆さまに落ちる和装の少女とそれを追う敦君。
ハイスピードで近付く私に向かって来た、敦君が空中へと投げ出した物………………

「A！！離れな！！！！爆弾だ！！」

遠ざかる電車から叫んだ与謝野先生の声が微かに耳に響いた。

爆風で後方へと吹き飛ばされる体。
熱い風が前から後ろへと流れていく。

敦君達が川へと落ちた数秒後、私も受け身の態勢で水面へと打ち付けられた。

火照った体が急速に冷やされていく。

『っっはぁ！！敦君！！！！』

何とか水面に顔を出し、早鐘を打つ心臓に酸素を送り、回りを見渡すと前方に流れていく敦君を発見。

抱えた爆弾投げながら川にダイブとかC○ISISか！！
暫く前に見たドラマの第１話的シーンを体験しテンションが上がった事は、皆には内緒にしておこう。

直ぐに救助に取り掛かった。

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