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１９.ろくでもない一日のはじまり ページ20

朝。元気良く射す初夏の朝日。スマホの画面に表示された時刻は…………ＡＭ８：０３。

寝坊だああああ〜！！

私の毎朝の生活パターンは決まっている。
ＡＭ６：４５起床、その後、朝食と昼のお弁当を同時平行で作り、歯磨き洗顔着替えを済ましたあと蒲団を窓際に干して学校へ出発だ。
ＡＭ８：００にナオミちゃんと社員寮前で待ち合わせをして学校に向かう。

蒲団から飛び起きた私はそこからオーブントースターに食パンを突っ込み、寝巻きのまま部屋を飛び出してナオミちゃんに声をかける。

『っごめん！ナオミちゃん！！
寝坊してもうた！！先学校へ行っといて！！』

私を見た途端血相を変えて駆け寄ってきたナオミちゃんに、部屋へ押し込まれ、浴衣の襟元を正される。

「女の子がこんな格好で外に出るなんていけませんわ！！何を考えているんですの！？
寝坊なら仕方ありませんわ。こうなったら兄様にお願いして車で送ってもらいましょう！！」

『っえ！？ そんなん谷崎さんに悪いわ！！』

「A、
焦りすぎて方言になってますわよ…。」

焦りから絶叫しながらもバタバタと用意をすませる。

ナオミちゃんが兄様に頼んできますわ！！と部屋を出て行った直後、食パンが焼き上がり、鞄を背負ってパンをくわえたまま扉を乱暴に閉める。

「Aちゃん、お疲れだネ〜(苦笑)。
送って行くよ。(笑)」

た、谷崎さんの笑顔が眩しい………。
こんな素敵なお兄さんがいてナオミちゃんはしあわせだなぁ……。

「探偵社の仕事だけでなく特務課の方にも顔を出しているAの事は凄いと思います。
でも、
余り無理をしないようにして欲しいですわ。」

助手席から谷崎さんに絡み付き、運転を乱すナオミちゃんがミラーを通して後部座席の私と視線を合わす。

『面目ない次第で御座います………
以後気を付けます。』

居たたまれなくなり、視線を外し、食パンを野菜○活で流し込んだ。

「Aちゃん、最近ちゃんと食事とッてないでしょ？
駄目だよ。ちゃんと食べなきゃ。」

華麗なハンドル捌きをみせる谷崎さんにも怒られてしまった………。

『時間が無いので簡単に済ませちゃってますが、ちゃんと野菜も採ってるので大丈夫です！
夜も蒲団に入ったら直ぐ寝る健康体ですよ！』

「「野菜○活じゃ野菜採ってると
言えないよ……。/言えませんわ……。」」

仲良し兄妹にハモり突っ込みを頂いたところで、車は学校前に到着した。

『谷崎さん、ありがとうございました！！』

お礼を言って駆け出す私達にチャイムの音が降りかかった。

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