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1話 ページ3


2022年11月6日_____



白い長髪が風になびいていることを無視しながら、僕はひたすら走った。


今日からSAO正式サービスが始まるのだが、生憎午前は病院の定期検診があったのだ。
その定期検診からの帰り道。



「この、やろう……もうすぐ、13時じゃ…ねぇ、か……」


SAOの正式サービスが始まるのは13:00からなのに、今僕は全速力で道路を走っている。

本来ならドクターストップのおかげで、走っちゃいけないんだけど、それどころではないくらい僕は焦っていた。


数分くらい走ると、無駄に広い屋敷じみた家が見えた。僕の自宅だ。



「僕の自宅、マイホームよ…キミを見てこれほどトキめいたことはないよ…!」


自分でも意味不明な言葉を発しながら、玄関の扉を思いっきり開けた。



「おかえりなさいませ、A坊ちゃん」


全力疾走で走って帰ってきた僕を迎えてくれたのは、この家に’半世紀’以上勤めてくれている、ばあやのトメさんだった。



「A坊ちゃん、早くしませんとSAOの正式サービスが始まります…!」


ばあやは白髪の髪を後ろでお団子のように束ね、着物の上に割烹着を身につけている姿で、典型的な昔ながらのおばあちゃん(ただの偏見)…ばあやだ。



そしてばあや曰く、ばあやは"根っからの廃人ゲーマー"らしい。




「今回、諸事情でSAOには参れません、婆やでございますが。どうか…どうかっ……婆やの分まで楽しんで、マッチョになってくださいませぇぇええええええ!!!!!」


ハンカチで溢れる涙を拭いながら熱弁するばあや。

僕はゲーム初心者だから、ばあやの気持ちはよくわからないけど…マッチョになれない苦しさはよくわかる。



「うん、ばあやの分まで楽しんでくるよ…!」


ばあやと話していると、とっくに13;00は過ぎていることに気づいた。



「ばあや、ばあや!! 13時、過ぎてる…!過ぎちゃってる!!」


僕が慌てていると「落ち着いてください、A坊ちゃん」ばあやが宥めてくれた。
ばあやと急いで寝室に行き、ばあやからゲームの簡単なレクチャーを受け、いざ準備万端。



「では、A坊ちゃん…どうかお気をつけて」


ばあやに'うん'という意味を込めて軽く頷くと、僕は息を吐いた。




そして僕は「リンクスタート」っと淡い思いを込めてこの言葉を発したのだった。



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設定タグ:ソードアート・オンライン , SAO , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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(名前)(プロフ) - 面白いです!更新お願いします。応援してます! (2020年4月4日 3時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
ひまん - アルートさん» そのように言って頂けて、嬉しいです。面白い物語を書けるように更新もろとも、頑張ります! コメント、ありがとうございます! (2018年10月20日 21時) (レス) id: 139a5926a1 (このIDを非表示/違反報告)
アルート - 展開などが面白いですね。今後も読ませていただきます!更新頑張って下さい。 (2018年10月20日 18時) (レス) id: 2c14469923 (このIDを非表示/違反報告)
ひまん - うんピーさん» うんピーさんも更新、頑張ってください!長文、失礼いたしました! (2018年10月14日 21時) (レス) id: 139a5926a1 (このIDを非表示/違反報告)
ひまん - うんピーさん» いえいえ!!うんピーさんの御作品が駄作でしたら、私の作品は一体なんなんだ…となってしまいますよ!とても心強いお言葉をありがとうございます!機械オンチですがなんなりと聞いてください(笑)私も聞かせて頂きます!お友達ができたようで嬉しいです! (2018年10月14日 21時) (レス) id: 139a5926a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひまん | 作成日時:2018年10月4日 22時

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