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episode 2 ページ4

「おいA!
さっさとこの床に散らばったワインを拭け!」




A 「はい…お兄様…」





その返事と共に
高さのある貴族のために作られた
高貴な椅子から 青い髪をした少女は立ち上がった。





普通
こういう仕事は使用人がする役目のはずなのに


誰も止めようともせず
それどころか変わろうともしなかった。




ベルクートに恩を返せなかった罰なのだろうか



少女はその悔しさに
自分の唇をギュッと噛み締めながら

我慢し
自分のハンカチを取り出して
懸命に何度も何度も ワインの染み付いた床をこすった。



もはや止めないどころか
しなくていいはずの仕事をする彼女を





取り囲んでいた周りの貴族や使用人は
鼻で笑っていた





くすくす

くすくす

と奇妙な笑い声が少女の耳に入ってくる



A (私がいつ悪い事をしたっていうの…?)







姫である少女は
怒りで震える手でハンカチを握りしめた。






するとその途端に




バシャッと熱いものが頭に降り掛かってきた。



一番上の兄が
自分の頭に夕食だった野菜のスープを降っかけてきたのだ。



A 「っ……!」








少女の瞳からは一気に涙がたまっていく。






少女の青い髪には
入っていた具が
ところどころにこびりついていて

髪や頬をしたたっていく熱い液体を
震える手でしぼった。




A (…青い髪で産まれてきたことが
そんなにいけない?)





「やだー!汚らしい」「ほんとうに」





庇ってくれない使用人


黙って鑑賞するように娘であり
姫君である少女を見る王




歪んだ笑顔で楽しむ 王子である兄達




とめる勇気がなくて
ただ悲しそうな顔で耐えるように座った王妃






A(こんな…こんな酷い人達の前で
絶対涙なんて流しちゃいけない…!)






少女は
流れてくる涙をのんで わずかな自分のプライドで立ち上がった。







A 「食べ物を粗末にしてはいけませんわ。お兄様」




そう言って
兄に精一杯に強がった微笑みを見せるとともに地獄のような食卓の場を去っていく。







少女は走った。






走って走って…裸足のまま外に駆け抜けた。






涙で濡れた顔が
この宮殿にいる誰にも知られないように






宮殿の敷地である裏の庭のはしで
彼女は声を上げて泣いた。







A 「うぅ…ぅ…っ!」





少女が
一生懸命育てた薬草の花たちが
そんな少女を見守るように風に吹かれて揺れていた。

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まんじゅう - 子ねこさん、本当にコメントありがとうございます…!!本当にすごく嬉しくて励みになりました!子ねこさんのことが大好きです!本当にありがとうございました!更新が遅れてしまってすみません汗 (3月16日 21時) (レス) @page25 id: c2801811dd (このIDを非表示/違反報告)
子ねこ(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2017年8月18日 7時) (レス) id: c1c8e0d2e6 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅう - ももさん» ももさん本当にコメント下さってありがとうございました!!おおお!ロキがかっこいいだなんてありがとうございます!目指していたところなので凄く嬉しいです!はい!これからも頑張りますね!本当にコメントありがとうございました! (2016年10月18日 19時) (レス) id: ea9e0a7961 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅう - 香音さん» はい!分かりました!香音さんの素敵なアドバイスのとおりナカバと交流させますね!コメント嬉しいです!ありがとうございました! (2016年10月18日 19時) (レス) id: ea9e0a7961 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅう - 香音さん» 香音さんコメント本当に嬉しいです!!ありがとうございます!前からコメントして下さってましたよね!?本当におくれてすみません!ありがとうございます!ロキキャラ崩壊してないか不安だったので凄く嬉しいです! (2016年10月18日 19時) (レス) id: ea9e0a7961 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんじゅう | 作成日時:2015年10月24日 19時

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