三回目 ページ35
恩人って…？
「住まわせてもらってるからな」
「あぁ、なるほど…」
お兄ちゃんや杏従ちゃんも同じところだよね。生徒会の大半が同じ家に住んでるってなんか怖いなぁ…
「…依頼って俺もしていいのか？」
「構いませんよ。まぁ、それなりの報酬は頂きますが」
「歌舞斗のアルバム５〜１０歳」
「承諾しましょう」
そんなんで依頼受けちゃっていいの！？いや、確かにちょっと見てみたいけどっ！
「じゃあ頼む。…調べられる範囲は分からんが」
「メンバーがメンバーなだけにかなり調べられますよ。何でもどうぞ」
「…未練って、知ってるか？」
未練？って…なんか執念みたいなやつだよね？
「俺ら…元”パーティー”の連中は全員未練があるらしいんだ。そしてその未練が無くなったら、この世にいることはできなくなる。…既にもう、勇希と朱里さんは消えてる」
「…そうですか」
「それから生徒会長…風智先輩も卒業より前に消える。あの人の未練は”生徒会でいること”だからだ」
「え…？」
お兄ちゃんも、消える…？
「偽停達は分からない。俺と杏従も…分からない」
「消えるって、それ…」
「…もちろん、パーティーを率いてた凹や快人、モンスターの寛人もだ」
凹君たちも…
「だから…全員の未練を調べてくれ。わがままかもしれないけど、俺は消えたくない」
「…限界はありますが、がんばります」
「頼んだ」
でも、未練なんてどうやって調べるの？亜茶君自身が覚えてないなら調べようがないんじゃ…
「私の知り合いに”死んだ者の未練”について詳しい方がいるので、その方に聞いてみます。凹君に聞くのは匿名君に頼んでおきます」
「歌舞斗が素直にそういうのを聞き入れるとは思えねぇけど。あいつ凹のこと結構気に入ってるし」
仲いいよね。少し嫉妬しちゃうけど、悔しいくらいお互いのことを分かりあってる。どうでもいいけど、最近歌舞斗君の身長が伸びてさらにイケメン度が増してる気がする。私は鬼樹君一筋だけどね！
「無理そうだったら脅してみますよ」
「…あんまり過激なのはやめてやれよ」
「火は使いません。消すのが面倒ですから」
まぁ、ルナは水苦手だもんね…能力の副作用的な問題だけど。…ルナの場合、いいことが起きるたびに副作用はだんだん強くなってくる。最初は水に長時間漬かったら体がかゆくなる程度だったのに、今は少量の水が一瞬かかっただけでも皮膚がただれて強い痛みがくる。…お湯は大丈夫だから、お風呂は心配いらないらしいんだけどね。
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作者名：future*show | 作者ホームページ：
作成日時：2020年12月3日 17時
