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ふっかが怒る理由はわかってるよ、わかってるんだけどさ。
ちょっとさ、頭に身体が追いつかないっていうかさ。
「うぁぁ…っ!ひ、っく、ぅ…っ」
佐「あべちゃん、あべちゃんちょっと深呼吸しよ、さくまさんと一緒にさ、ね?」
ラ「……ふっかさんが泣かせたー」
深「っは?いや、俺は、」
ラ「あーあ!あべちゃん可哀想〜!今よわよわなのに責められて可哀想〜!!」
ねーいわもとくん?酷いと思わない?
まるで悪さをした同年代の子を先生にチクる子どものようなラウールの声が聞こえてくる。
すぐそばで俺の呼吸を整えようとしてくれている佐久間の声も聞こえてきているし、ラウールのチクり(?)に酷く困惑するふっかの声も聞こえてくる。
ほら、脳内はこんなにも落ち着いてるというのに、ラウール曰くよわよわな俺の身体は言うことを聞かず、涙は溢れてくるわひっくひっくというしゃくりあげも止まらない。
向「…んもー、そんな怖い声出したらあかんやろふっかさん!もっと優しく声かけな!」
深「違っ、だから俺は、」
向「ふっかさんそういうとこ不器用やねんからほんまにもー」
深「勝手に進めんな話を!」
こういうのはオトンがカバーせなあかんで?照兄?
まるで親戚のおじさんがわかった口を聞くようなトーンで話す康二の声。
ふっかの話は誰も聞こうとしないから、責められる立場だけどなんだか可哀想に思えてきてしまった。
「ごめ、っ」
深「…阿部ちゃ、」
「おれ…が、っかく、す、って、…がんばった、」
深「…うん」
「う、ぅ…ご、めん、っ…ふっかぁ…!」
深「、阿部ちゃん」
ごめん、ごめんなさいと繰り返す俺の肩をトントンと叩きながら、ふっかはいつも通りの優しい声で話す。
深「俺もごめん、急に。…でもさ、言ってよ、体調悪いの我慢すんな」
「…、ん、んっ」
深「言ってくれたらさ、俺らもカバーできんじゃん。あと、普通に隠されるのやだ、信用されてないみたいで」
「ん、…ごめん、ね?」
深「…ふは、いーよ、もう。もし次あったら隠すなよ、絶対」
約束、と小指を立ててこちらに差し出してくるから、思わず同じように小指を立てて指切りげんまん。
大人になってもする時あるんだ、と思ったらなんだか面白くて、ふっかと目を合わせて笑い合った。
岩「つかふっかもよく隠すから人のこと言えないじゃん」
深「仰る通りデス」
ラ「ブーメランってやつだ」
深「うるせえ!!」
完
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同期ゆり組担 - さんかっけいさん、ありがとうございました。とてもおもしろかったです!投稿、お疲れ様でした。 (2023年3月21日 20時) (レス) id: ecb79bbb8a (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - 同期ゆり組担さん» リクエストありがとうございます。書かせていただきました!若干内容の差異はあるかと思いますが、ご満足いただけると幸いです! (2023年3月21日 16時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
同期ゆり組担 - またもや、リクエストよろしいでしょうか? あべちゃんが5人のお兄ちゃん達にわがままを言いまくって困らせてかまってもらう、というお話が見たいです。細かい設定はお任せします!よろしくお願いします! (2023年3月6日 23時) (レス) id: 67b27e02af (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - 同期ゆり組担さん» こちらこそありがとうございました! (2023年2月23日 12時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - Mさん» ご感想ありがとうございます(^^♪ 励みになります! (2023年2月23日 12時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんかっけい | 作成日時:2023年1月28日 3時