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マネージャーの起こす声が聞こえて目を開ける。
「寝不足ですか？」って聞かれたから適当に頷いて誤魔化した。マネージャーはたぶん誤魔化されてくれた。
車から降りてマネージャーにお礼を伝えて、今日の楽屋へと歩き出す。
家から出る前に薬は飲んだはず(記憶が無いからわからない)だが、あまり効いている感じはしない。
まあそんな数十分じゃ効かないか、と思いつつ、まだ重さと怠さが続く身体を動かしていく。
周りに人はいないけど、俺が風邪引いてるってことがなるべくバレないように、いつもの自分をイメージしながら。
楽屋の前に着いた頃には息はきれぎれで、こんな状態でドアなんか開けたら絶対心配されるレベルだ。
入る前に近くの自動販売機があるところで休んでからにしようと、身体の向きを変えた。
その瞬間、後ろから声をかけられた。
聞き馴染みのある男の声だった。
深「阿部ちゃん？」
「…ふっか」
深「おはよー。入んないの？」
「あぁ、…飲み物、買ってからにしようかなって思って」
深「ふーん、そ」
ふっかはそのままドアを開けて中に入っていった。
てっきり「俺も買おうかなー」とか言って着いてくるのかなと思ったので、少し拍子抜けしてしまった。まあ着いてこられたら絶対に風邪引いたのバレるから、これはこれで良かったんだけれど。
息は落ち着いてきているのにふっかに話しかけられたせいか、心臓はまだ忙しくばくばくと動いていて少しだけ苦しい。
胸を抑えながら深呼吸を繰り返し、そのまま自動販売機のところまでゆっくりと歩いていく。
その後、着いたはいいものの何を買おうか決めておらず、しかしこの状態で口にできるのは水くらいしか無いのではと、天然水のボタンを押す。
ガコンッと音がしてペットボトルが落ちた。それを取ろうと屈むけれど、その時の服の擦れが落ち着かなくて眉を寄せてしまう。
自動販売機の隣に置いてある固くも柔らかくもないソファーベンチに座って買った水を飲む。
その冷たさが心地好くて、そのまま壁に頭を預けながらふぅーっと息をついた。
今日はとある雑誌の撮影だ。テレビの収録よりかは体力を消耗しなくて済むのが不幸中の幸いと言うべきか。
しかしうちのメンバーに目ざとい奴が多いのが何よりも厄介なのだ。あと隠してることバレたらガチで怒られるから嫌だ。
俺は自分の持てる最大限の演技力で1日を過ごそうと心に決めた。
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同期ゆり組担 - さんかっけいさん、ありがとうございました。とてもおもしろかったです！投稿、お疲れ様でした。 (2023年3月21日 20時) (
レス) id: ecb79bbb8a (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - 同期ゆり組担さん» リクエストありがとうございます。書かせていただきました！若干内容の差異はあるかと思いますが、ご満足いただけると幸いです！ (2023年3月21日 16時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
同期ゆり組担 - またもや、リクエストよろしいでしょうか？ あべちゃんが５人のお兄ちゃん達にわがままを言いまくって困らせてかまってもらう、というお話が見たいです。細かい設定はお任せします！よろしくお願いします！ (2023年3月6日 23時) (レス) id: 67b27e02af (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - 同期ゆり組担さん» こちらこそありがとうございました！ (2023年2月23日 12時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - Mさん» ご感想ありがとうございます(^^♪ 励みになります！ (2023年2月23日 12時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんかっけい | 作成日時：2023年1月28日 3時
