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その後、俺は無事に見つかって、意識を戻した時には親に死ぬほど怒られた。
受付のお姉さんにもなぜか謝られたけど、絶対悪いのは俺だった。
舘さんはその時泣いていた…気がする。
親からはあんたのこと一生懸命探してくれてたんだよ、って教えてくれた。
そんでたぶん、そこからだ。
舘さんが俺に対してちょっと過保護になったのは。
ガチャ、と楽屋のドアが開く。
目を向けるとそこには舘さんの姿があって、俺は普通に挨拶を交わす。
「はよ」
宮「おはよう翔太。照もおはよう」
岩「おはよ。あ、ねえ舘さん、ちょっとこれ見て」
宮「なに?」
照に呼ばれて、舘さんは彼の近くに座った。
どうやら舘さんに似合う服が雑誌に掲載されていたらしく、照はあれこれ指をさしながら舘さんと笑い合っている。
いつもの光景だなあと思いながら2人を視界に入れつつ、俺はスマホをいじり続ける。
SNSを見るのも飽きてきて、何か新しい服でも買おうかなとサイトを開いた途端、酷い雷鳴が楽屋に響いた。
「っ!!」
岩「ぅおっ、びっくりした」
宮「結構近いね、今の。…大丈夫?翔太」
「…ああ、うん、別に」
嘘だけど。
めちゃくちゃスマホ落としそうになったけど。
でも照もいるし、今更かっこ悪いところってのもおかしいけど見せたくなかったから我慢した。
舘さんにはたぶんそこも見抜かれてて、あまり納得いってない顔してるけど。
ブレーカーは落ちていないみたいで電気はついたまま。
雷だけならまだ大丈夫だから気にすんな、と言うように舘さんに目線を送ると、彼は小さく頷いた。
ごろごろ、まだ雷は鳴っている。
たぶん次近くてでけえの来たら危ない気がする。から、来ないでいただきたい、なるべく。…いや、絶対。とか考えてたら来るんだよなあ。
びしゃあん!
ほらな。
岩「でっ、……か!」
「…っ」
宮「、翔太」
舘さんが立ち上がって俺の元に近づこうとするのが分かって、俺はそれを手で止める。
いい、来なくていい、大丈夫だから。
声を出そうと口を開いた瞬間、突然目の前が暗くなった。
_あ、待って、これは無理。
「、ひっ」
岩「うわっ、停電?」
照の驚く声が聞こえた。と同時に、手に持っていたスマホを落としてしまう。
画面がついていないそれは音を立てて床に吸い込まれていった。
息ができない。手が震える。
俺は自分を抱き締めるように腕を交差させ、ソファーの上で蹲った。
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同期ゆり組担 - さんかっけいさん、ありがとうございました。とてもおもしろかったです!投稿、お疲れ様でした。 (2023年3月21日 20時) (レス) id: ecb79bbb8a (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - 同期ゆり組担さん» リクエストありがとうございます。書かせていただきました!若干内容の差異はあるかと思いますが、ご満足いただけると幸いです! (2023年3月21日 16時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
同期ゆり組担 - またもや、リクエストよろしいでしょうか? あべちゃんが5人のお兄ちゃん達にわがままを言いまくって困らせてかまってもらう、というお話が見たいです。細かい設定はお任せします!よろしくお願いします! (2023年3月6日 23時) (レス) id: 67b27e02af (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - 同期ゆり組担さん» こちらこそありがとうございました! (2023年2月23日 12時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - Mさん» ご感想ありがとうございます(^^♪ 励みになります! (2023年2月23日 12時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんかっけい | 作成日時:2023年1月28日 3時