『九人確かにここに、いるんです。』

＊ ページ10

ただいまの時刻、午後2時ちょっと過ぎ。
練習が始まってからおよそ3時間が経過しており、そろそろ終わりの時間である。

そんな中、俺らは何をしているかというと。


深「まずさ、ドッキリとはいえやっていいことと悪いことがあるだろ」
岩「加えて目黒の演技力があるんだからさ、…こっちは本気で心配したんだぞ」
目「俺の演技力ってそれ怒られる原因じゃなくないっすか」
岩「なに？」
目「いえなんでもないです」
ラ「ドッキリするならさ、もっとこう、幸せなドッキリやってよ！健康に関わるドッキリは禁止！NG！」
阿「…だって康二。次何やる？」
向「うーんせやなあ…『箱の中身はなんだろな？〜メンバーの生首(マネキン)を添えて〜』とか？」
深「おい反省してんのかお前ら」
向「してますすんごくしてますすみませんでした」
宮「しかも〇〇を添えてって俺のネタだからね」
阿「あ、持ちネタだって自覚はあるんだ…」
宮「なに？」
阿「いえなんでもないです」


結構ガチで怒ってる深澤、照、ラウ、涼太の前に綺麗に正座させられて、結構ガチで怒られている阿部ちゃん、康二、蓮の3人。
なんで俺は参加しないのかって？まあ、4人が代わりに言ってくれるっていう信頼と、あとは俺の隣で涙目になっちゃってる5歳児のお守りがあるからかな。


「びっくりしたねぇー翔太」
渡「まじ、ぜったい、あいつら、」
「さすがにドッキリで体調不良者出したらダメだよねぇー」
渡「……今度ぜってー飯奢らす」
「にゃは、いいねそれ」


ちなみに涼太があっち行って怒ってる理由の8割くらいは翔太が過呼吸気味になったことに対してだかんね。
いやー、良いゆり組だね、阿部ちゃん。


宮「…ドッキリは別にしてもいいけど、今回みたいにかけられる側の体調に影響のあるものは絶対やめて」
ラ「そうなったら責任取れないもんね」
向「仰る通りでございます…」
岩「今回は大丈夫だったけど、ほんと万が一のこと考えろよ」
阿「はい、肝に銘じます…」
深「ともかく！ほんとマジで、お前らちゃんと反省しろよ！特に翔太には一生かけて謝れ！」
目「しょっぴーごめん！！！！！！」
深「ここからじゃなくて近くに行ってから謝れ！！」


いつの間にか元通りの空気感に戻っていて、隣の翔太も穏やかな表情に変わっていた。
練習の続きは次に持ち越しになったため、帰る準備をしながら大きな声で言う。


「叙々苑でも奢ってもらおっかなー！！」
阿/向/目「「「高い！！」」」
渡「うるせえ奢れ！！」



完

離れたのはこっち。／緑→←＊

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