S10 菅原side ページ10
及川の口から飛び出た言葉。
こんなに大勢いる中で、なんの躊躇いもなく言い放つ及川に、寧ろもう尊敬の意を覚えてしまう。
俺はちょっぴり呆れて、笑みをこぼした。
案の定Aは戸惑った様子で、俺に助けを求めるような顔をしていた。
「付き合ってねーよ。それぐらい仲良いってことだろ、みんな」
大きく笑って、差し障りのない様子を醸し出し、自然にそう答えた。これで勘違いされてしまったら、きっとAは困る。
「でもさっき目合わせてたじゃないですか。」
控えめに話し不審がっている彼は確か、青城の13番…国見だったか。
「だって心配だろー？」
嘘はついていない。心配だったのは、本当だ。
まさかAが烏野以外のマネージャーやるなんて思わないし。
…まぁ実際は
気付いたら、見ちゃってるんだけど
「なにそれ、怪し〜。」
じいっと俺とAを見つめてくる及川はしつこく俺達を疑った末、「まあいいや。」と言ってそっぽを向いた。
危なかった、と胸を撫で下ろしそうになるのを抑えて、ちらりとAの様子を伺う。
「ありがとうございます」
苦い笑みを浮かべるAに笑顔で返事をした。本当に付き合うことになるかどうかは、わからない。正直自信はないけど、俺に出来るのはもう待つことだけだって、そう思う。
気付かれないように横目で月島を見ると、彼はいつも通り淡々としていて、先程の話など全く興味がないような、そんな感じがした。
＿＿＿どうしてそんなに普通にしてられるんだ
月島がAのことを好きだなんて、もうとっくの昔に気付いている。
幼馴染で、距離も近くて、親しくて。
俺が割り入れる隙なんてないと、自分の気持ちを自覚した時からずっと思ってた。
でも遠慮するのはもう…やめた
はやく、
A
お前の気持ちを教えてほしい＿＿＿＿＿
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作者名：ちゃんきき | 作成日時：2018年5月6日 10時
